4月9日に初放送された新ドラマ『模範タクシー』(原題)は、「正義が消えた社会、電話1本でOK」というキャッチフレーズの謎に包まれたタクシー会社“ムジゲ(韓国語で虹の意)運送”に属するキム・ドギ(演者イ・ジェフン)らが、無実の被害者に代わって復讐を成し遂げるリベンジ代行劇で、初回放送を“19禁”と定めて注目を集めた。
韓国の人気追跡報道番組『それが知りたい』出身のパク・ジュヌ監督の新作となった『模範タクシー』は、初回の題材に「チョ・ドゥスン事件」(2008年12月、8歳の女児を暴行した事件。当時、犯人チョ・ドゥスンが心神耗弱であったため量刑が少なく、反発が大きかった)を想起させるチョ・ドチョルというキャラクターを登場させた。
初回放送に先立ち、制作発表会でパク・ジュヌ監督は、「時事番組で多く見たネタが登場する。現実ではまともに処罰されなかった場合、ドラマで痛快に解決する予定だ。そのほかにも性搾取動画、校内暴力など社会共通の鬱憤をうまく溶け込ませた」と自信を示していた。
このような差別化が功を奏し、初回は10.7%(ニールセンコリア調べ、全国世帯基準)と2桁視聴率を突破したが、第2回では13.5%と早くも最高視聴率を更新している。
事実上、『模範タクシー』は単なる一ドラマコンテンツとしてだけでなく、大ヒットドラマ『ペントハウス2』の後続作であると同時に、歴史歪曲で放送中止となった『朝鮮駆魔師』以後、初めて放送されるSBSの新ドラマという点で多くの関心を集めた。
また、当初アン・ゴウン役にキャスティングされていたK-POPガールズグループAPRILのメンバー、イ・ナウンが、グループ内でのいじめ疑惑により降板し、ピョ・イェジンにキャスティングが交替されるなど困難を経験した。
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そのため、前もって行われた撮影分を撮り直さなければならなかったが、ドラマ側は「より良いクオリティーで完成した」と満足感を示していた。
ドラマ放送前から『模範タクシー』は様々な話題の中心に立った作品だった。そのため初回放送に注がれた注目度と、『ペントハウス2』の後続作という相乗効果を見逃すことはできないが、第2話目での大幅な視聴率アップは単純にドラマに対する直接的な話題性として解釈することができる。
パク・ジュヌ監督は12日、スポーツソウルに「今週の第3、4話のエピソードは現行法で判断するのが曖昧な未成年者間の罪に対する内容」とし、「韓国の法律は年齢が若ければ加害者に寛大というのは事実だが、被害者には死ぬほど深刻な苦痛があるのも現実、というジレンマがポイントだ。その地点を“校内暴力”という普遍的な素材を通じて、ムジゲ運送とキム・ドギがどのように痛快に解決するのか見守っていただければと思う」と述べている。
とあるドラマ関係者は、「『模範タクシー』は人気ウェブトゥーンが原作だが、「復讐代行サービス」というテーマをドラマ化した点が新鮮で楽しく見てくれたようだ」とし、「『模範タクシー』だけでなく、tvNの『ヴィンチェンツォ』など、ダークヒーローものがお茶の間でも多く愛されている。様々な事件・事故が共存する現代社会で、悪をまた別の善と悪で処断する代理的な満足感が与える喜びが大きいようだ」と話した。
また、別の関係者は、「土曜日の場合、『模範タクシー』が『それが知りたい』の前に編成されているため、口コミで話をすればするほどドラマファンだけでなく、『それが知りたい』ファンの関心も引くようになり、シナジー効果が期待される」と予想した。
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