2020年は俳優ナム・ジュヒョクにとっていつもより多忙で、充実した一年だった。
Netflixオリジナルシリーズ『保健教師アン・ウニョン』で新しいプラットホームの扉を叩き、tvNドラマ『スタートアップ:夢の扉』ではきらきら輝く等身大の若者を熱演。2年ぶりの映画復帰作『ジョゼ』では、切ないラブストーリーを描き出した。
『ジョゼ』の美しい恋愛模様を通じて、より成熟した俳優の顔を披露したナム・ジュヒョク。映画の終盤に彼が号泣するシーンは、観客の涙を誘う。
「シナリオを読んで、期待感が大きかった」というナム・ジュヒョクは、「大衆が考える僕は青春ドラマに似合う明るくて朗らかなイメージのようで、個人的にはより感情的になれる繊細で深みのある青春の姿をいろいろとお見せたかった」と、『ジョゼ』の出演を決めた理由を語った。
原作となる『ジョゼと虎と魚たち』については、「3、4年前に観たが、リメイク版の出演が決まってからは観ていない。影響を受けそうで。この映画でのヨンソクという人物をどう表現するか、現場で監督や俳優たちとたくさん話し合いながら撮影した。『ジョゼ』のヨンソクと原作を比べてみる楽しみのあるのではないだろうか」と述べた。
ナム・ジュヒョクが最も注目したのは、「ありのままの感情」という。
「劇中のヨンソクという人物を見たとき、どこかに本当に存在しそうな平凡な青年として表現したかった。だから、ありのままの感情を演じたいというこだわりが強かった」
ナム・ジュヒョクが考える「愛の条件」は何だろうか。「実は深く考えたことはない。難しい質問だ」としながらも、「最も重要なのは尊重と配慮ではないかと思う。恋人同士だけでなく、一般的にも人と接する時は、重要なことだ」と答えた。
ナム・ジュヒョクは、『ジョゼ』の制作報告会で涙を見せるほど、作品への格別な愛情を示した。
「もちろん、どの作品も常に最善を尽くすが、この映画が特別に僕に与えたポジティブな影響は、監督と俳優たちが一緒に作っていくエネルギーがすごく良かったということだ。ハン・ジミン先輩から学ぶことがとても多かった。人としても役者としても。相手の俳優が演技をする時、100%をくれることは本当に容易ではない。そういう素晴らしい姿勢を見て学んだ」と振り返る。
彼にも劇中のヨンソクと同じく自分を導いてくれた人がいただろうか。ナム・ジュヒョクは迷わず「お母さん」と答え、「僕にとても良い影響を与えてくれた。これからどう生きていけばいいか、それを見せてくれた人なので、僕が生きる原動力こそ母である」と真剣に語った。
作品を重ねるごとに成長を続けるナム・ジュヒョクに対し、大衆の期待も日増しに高まっている。
「もちろんプレッシャーはあるが、作品の中ですべてを出し切ろうとするほうだ。疲れる時もあるけど、大変だと言ってはいけない。好きな仕事をしているし、その瞬間が簡単には来ないことをよく知っている。新しい仕事が入るのがとても幸せだ。自分で振り返ってみても、本当に頑張って働いていると思う。これからもそうするつもりだ。こういう大切な時間を、無駄に使いたくはない」
2020年は、ナム・ジュヒョクにとって「馬車馬のように働いた」年だった。ハン・ジミン、チョン・ユミ、スジといった、相手俳優にも恵まれている。
彼は「今年は、大衆に僕という人間をもっと披露する時間だったし、休まずに作品のことしか考えていない。運良く、良い仲間、先輩たちにたくさんお会いした。映画『安市城 グレート・バトル』の時からそうだった。だから、もっと息を合わせて前向きな姿をお見せすることができたんだと思う」と話した。
最近まで撮影を行ったドラマ『スタートアップ:夢の扉』についても、「たくさん学び、成長できた作品。久しぶりの青春ドラマだった。青春ものを撮るときは、いつも『最後かもしれない』という気持ちで臨む。ベストを尽くして演じた」と付け加えた。
インタビュー中、ナム・ジュヒョクが最も多く使った単語は「最善」だった。それだけ、演技に対する姿勢も真剣である。
「俳優としてちょっとずつ前に進みたい。止まっている俳優にはなりたくない。 これからお見せしたいことも多いので、もっと努力し、もっと悩みます」(了)
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