『愛の不時着』のロケ地を徹底解説!劇中の北朝鮮シーンはどこで撮影されたのか

ネットフリックスを通じて、日本で爆発的な人気を博しているドラマ『愛の不時着』。俳優ヒョンビン、女優ソン・イェジンのロマンスは一度観たら抜け出せないと話題だが、ドラマを彩る美しい背景にも注目が集まっている。

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『愛の不時着』は、韓国の財閥令嬢が北朝鮮に不時着することで物語が始まるが、かの国で韓国の制作陣がドラマを撮影することはできない。では、一体どこで撮影されたのだろうか。『愛の不時着』のロケ地を調べてみよう。

劇中、韓国、北朝鮮、スイスと3カ国が登場するドラマだけに、そのロケ地は多岐にわたったことがわかる。

北朝鮮のシーンはどこで撮影された?

何よりも気になるのが、北朝鮮のシーンをどこで撮影したかということだろう。

第1話でパラグライディングをしていたユン・セリ(ソン・イェジン)は、北朝鮮と隣接した非武装地帯(DMZ)の林に不時着する。そのシーンが撮影されたのは、韓国・済州道。正確には、済州(チェジュ)市・我羅洞(アラドン)のとある山だ。

イ・ジョンヒョ監督ら制作陣はドラマ制作前、実際のDMZで撮影ができるか調べるために現地を訪れたが、ドラマで表現したかった数十年間、人の手が入っていない空間として表現するのは難しかったという。それで済州市・我羅洞で撮影を行うことになった。

(画像=tvN)『愛の不時着』第1話

視聴者の印象に深く残ったのは、北朝鮮の首都にある平壌(ピョンヤン)駅ではないだろうか。第2話や第5話に登場した。

その撮影地は韓国ではなく、モンゴル・ウランバートルだ。平壌駅をはじめ、開城(ケソン)駅や汽車のシーンは同地で撮影された。実際に運行されている汽車を撮影したため、待機時間を作って一気に撮影し、汽車内部のシーンは車庫で停車させて撮影したという。出演者や制作陣も苦労が多かったようだ。

(画像=tvN)『愛の不時着』第5話

また北朝鮮の軍部隊の撮影地は、江原道・横城(フェンソン)郡のムクケリ。ここは韓国で軍隊関連の映像を撮る代表的な場所で、ドラマ『他人は地獄だ』などの撮影も行われた。弾薬庫や生活館などの施設がきちんと保存されており、別途にセットを設置する必要がない。

ちなみに北朝鮮軍の村は、いくつかの候補地が議論されたが、最終的に撮影シーンも多く、物語の上でも重要な場所であったことから、大規模なオープンセットを建設して撮影したそうだ。

韓国のロケ地は今や観光スポットに

第6話でユン・セリが韓国に帰る前に、北朝鮮の部隊員たちとピクニックをするシーンがある。その撮影が行われたのは、忠清北道・忠州(チュンジュ)市のピネソムという場所だ。

ピネソムは釣りやキャンプを楽しんだり、渡り鳥や夕焼けの写真を撮ろうとしたりする観光客が少なくない忠州市の代表的な観光名所とされる。秋の風景が特にオススメで、2019年には韓国観光公社が「10月、秋の旅行地」に選定したりした。

忠州市のキム・ギホン観光課長は、韓国メディアの取材に「『愛の不時着』が視聴率を伸ばしながら、ロケ地であるピネソムに対する問い合わせが増えている」とし、「最高のヒーリング観光地なので、視聴者たちの関心と訪問をお願いしたい」と話していた。

ピネソムのある忠清北道・忠州市は、他にもさまざまなシーンの撮影で使われている。

(画像=tvN)

例えば、第12話でユン・セリと韓国に来た部隊員が再会し、その姿を微笑ましく見ているリ・ジョンヒョクの姿を撮影したのは同市の中央塔史跡公園だ。公園内には中央塔とともに25のさまざまな造形物があり、公園の横には静かな弾琴湖(タングムホ)が位置している。

また第13話で、ソ・ダン(ソ・ジヘ)とク・スンジュン(キム・ジョンヒョン)がお互いに対する思いを確認し、夜景のなかでキスを交わすのだが、そのシーンが撮影されたのは忠州市のムジゲ(虹という意味)道だ。

ムジゲ道は、弾琴湖の静かな自然の風景を楽しみながら、南漢江に沿って歩くことができる遊歩道だ。日中は静かで落ち着いた雰囲気で、ジョギングやサイクリングコースとして親しまれている。しかし夜になると色とりどりの照明によって、雰囲気がガラリと変わる。

ピネソムやムジゲ道など、撮影に協力した忠州市は、ドラマの人気を土台に『愛の不時着』のロケ地であることを知らせる看板を設置するなど、広報に熱を上げているそうだ。前出の観光課長は「ドラマを通じて忠州市に関心が集まっている。弾琴湖ムジゲ道を全国的な観光名所に育てたい」と意気込んでいた。

スイス現地でも撮影

『愛の不時着』効果を受けているのは、忠州市だけではない。第13話でリ・ジョンヒョクとユン・セリがデート中に橋の上で言葉を交わすシーンがあるのだが、その撮影が行われたのは京畿道・抱川(ポチョン)市にある漢灘江(ハンタンガン)のハヌル(空という意味)橋だ。

漢灘江ハヌル橋は2018年5月にオープンした長さ200mの歩行専用橋で、50mの高さから漢灘江の峡谷を眺めることができる。抱川市の関係者は「観光客が少ない冬でもドラマの撮影地を訪れる観光客が増え、地域経済の活性化に役立っている」などと、ドラマの効果を話している。

もちろん、スイス現地でも撮影が行われた。

(画像=tvN)

例えば、第4話でユン・セリがスイスで安楽死を拒否された後、橋の上で自殺を考えたりするシーンがあり、放送後「CGではないか」と話題になった橋は、ジークリスヴィルのパノラマ橋だ。高さ180mのつり橋で、大迫力の景色を堪能できる。

そのユン・セリが橋を降りて、リ・ジョンヒョクとソ・ダンの写真を撮ってあげた場所は、ユングフラウのフィルストだ。撮影のためにスイスを訪れたソン・イェジンがインスタグラムに写真を投稿しており、それが話題になったりもした。

韓国をはじめ、スイスやモンゴルとさまざまな場所で撮影された『愛の不時着』。そのリアルで美しい背景の数々が、視聴者を物語へとさらに引き込んでくれたことに異論はないだろう。

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