Netflixでも配信中の人気韓国ドラマに、次々とトラブルが浮上している。
朝鮮王朝時代にタイムスリップした現代の天才シェフ、ヨン・ジヨン(演ユナ)が、“暴君”と呼ばれる王イ・ホン(演イ・チェミン)と出会うという、斬新な設定で人気のドラマ『暴君のシェフ』。9月10日付ランキングではNetflixのグローバルTVショー(非英語)部門で2位を記録し、累計44地域で1位、93地域でトップ10入りするなど国際的な成功を収めている。
順調かと思われるが、その裏では大小さまざまなトラブルにも見舞われている。
制作初期から波乱はあった。当初、イ・ホン役にキャスティングされていた俳優パク・ソンフンが、撮影開始前に降板。公式発表はなかったが、自身が出演した『イカゲーム』のパロディAVのパッケージ画像をインスタグラムに投稿した余波とみられている。
主演交代というトラブルを乗り越えて迎えた8月23日の初回放送では、セットの誤字が発覚。ヨン・ジヨンが過去にタイムスリップし、王と対面する場面のセットの旗に、「太平聖“代”」と書くべきところを「太平聖“大”」と誤記していたのだ。本来は「賢君が治め、世の中が平和である時代」を意味する言葉。制作陣は2日後に謝罪し、修正後に再放送・配信へ反映すると約束した。
さらに、日本の人気漫画『信長のシェフ』とストーリーが酷似しているとの指摘も。どちらも「現代の料理人が過去にタイムスリップし、料理を通じて歴史の人物と交流する」という設定で、一部のネットユーザーからは「ほぼ同じではないか」と批判が相次いだが、制作サイドはコメントしていない。
そして直近の騒動が、中国語のセリフを巡る問題だ。9月6、7日に韓国で放送された回では、明(ミン)の使臣ウ・ゴン(演キム・ヒョンムク)、料理人タン・ベクリョン(演チョ・ジェユン)ら4人が朝鮮の料理人と対決。放送後、中華圏では「標準語のよう」「発音が滑らか」と好評を得た。ところが、吹き替えを担当した中国人声優がSNSに「それは私の声だ」と投稿し、「ほかの俳優は問題なかったが、この人は酷かった」とチョ・ジェユンを嘲笑。レコーディング現場の写真まで公開し、事実上の揶揄と受け止められた。
この発言が韓国で報じられると「外国語が完璧でないのは当然」「わざわざSNSで晒す必要はあるのか」「中国ドラマだって吹き替えを使っている」と批判が噴出。声優は投稿を削除したが、台湾メディア『ETtoday』などもすでに報じており、波紋は収まりそうにない。
数々のトラブルを背負いながらも走り続ける『暴君のシェフ』。この先も勢いを維持できるのか、今後の展開が注視される。
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