BTSやSEVENTEENに降板要求や国民請願が…“梨泰院アイドル”問題を大きくしたのは誰か

新型コロナウイルスによって人々の生活は大きく変わったが、それは芸能界も同じだ。しかしそんな変化を受け入れることなく、以前のままの対応を行った所属事務所によって議論がさらに大きくなった。

【まとめ】BTSも公式謝罪…集団感染の梨泰院を訪問したトップアイドルたち

BTSのJUNG KOOK(ジョングク)、ASTROのチャ・ウヌ、NCTのジェヒョン、SEVENTEENのミンギュら人気アイドルグループのメンバーたちは、ソーシャルディスタンス(社会的距離)が強調されていた4月25日にソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)を訪問した。

現在、韓国で落ち着きつつあった新型コロナが梨泰院クラブの集団感染で全国的に広がっている。4人もコロナの検査を受けることとなった。

当初は疑惑をスルーしていた所属事務所

韓国政府は3月から新型コロナの地域社会における感染拡大を防ぐために、ソーシャルディスタンスを強調し、4月20日から5月5日までは若干緩和されたかたちで延長された。

BTSのJUNG KOOK(ジョングク)(左)とSEVENTEENのミンギュ

そんな状況で有名アイドルグループのメンバーたちが梨泰院に出かけ、飲食店やバーを訪れていたということは、それ自体が非難されるべき行動だろう。

しかし彼らの所属事務所は、所属アーティストに疑惑の目が向けられても事実確認をすることもしなかった。

彼らの所属事務所は去る5月13日に関連報道が出ると、事実確認の要求に口を閉ざした。そのため“梨泰院アイドル”に関する記事は続報がない状況となったが、ネット上には憶測による書き込みやフェイクニュースが拡散する“インフォデミック”(infordemic:情報伝染病)が広がった。

インフォデミックとは、情報(information)と流行(epidemic)の合成語で「ネット上で嘘やデマを含めた大量の情報が流行のように拡散している現象」のこと。これは初期の不正確で歪曲された情報が、さまざまな経路で急速に普及したことを意味する。

インフォデミックを防ぐためには迅速な事実確認が必須なのだが、今回の事態では、所属事務所がそれを回避した。

所属事務所の不適切な対応がもたらした悪影響

所属事務所が事実確認をしなかったため、ファンの間でもネット上の疑惑を報じる記事が虚偽なのか真実なのかで意見が分かれ、不毛な消耗戦が繰り広げられた。

とあるネットユーザーは、梨泰院の目撃談は嘘で、自分がネット上に拡散させたと手書きの謝罪文まで掲載した。そんな騒動が記事化される皮肉な状況まで広がった。

NCTの​​​​​​ジェヒョン(左)とASTROのチャ・ウヌ

ただ結果的にその目撃談は事実であったことが、所属事務所の公式謝罪によって明らかとなった。ファンの立場では当然、自分の信じたい情報だけを信じ、受け入れられないものは無視する“確証バイアス”に陥るしかないわけだが、その起因は所属事務所の安易な態度に他ならない。

実際に“梨泰院アイドル”の噂は、関連報道が出る以前からネット上で確実に疑惑が浮上していた。もちろん公論化される前であるため、その段階で所属事務所が先制的に情報を開示する義務や必要性はない。

ただ関連報道と事実確認が要求された5月13日に立場を明らかにする必要が出ると、所属事務所は「アーティスト個人のプライバシー」という名分で、事実確認を回避した。

熱愛や家族など個人的な問題であればその言い分も通るが、今回は新型コロナと関連する事案であり、違和感が否めないという指摘が出ている。

番組の降板要求、国民請願も

不適切な対応は、より大きな後遺症を残す結果となった。

一部のネットユーザーは、チャ・ウヌが出演中のバラエティ番組とジェヒョンがMCを務める音楽番組の掲示板で、彼らの降板を要求した。特に2人は検査後に陰性判定を受けたものの、自主隔離期間を設けることなく対外活動をしたとして、大きな非難を浴びている。

また大統領府に設置された国民請願掲示板には、「BTSのJUNG KOOKの文化勲章を回収してください」という請願文が登場した。

今回の議論はメンバー個人の活動はもちろん、グループのイメージやK-POPアイドル全体に悪影響を及ぼしており、現在進行形だ。

“梨泰院アイドル”の疑惑が提起された当時、KARA出身パク・ギュリのように、すぐにクラブを訪問した事実を確認し、謝罪していれば、これほどの批判は受けなかったと考えられる。各所属事務所は、自らの対応で大きな非難を招いた今回の事態を教訓にすべきだ。

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