裁判中のNewJeansに関する報道で抗議を受けた韓国の公共放送局KBSが、公式立場を発表したが、謝罪はなかった。
7月25日、KBSは公式ホームページの視聴者請願掲示板に投稿された「悪意ある報道の中断と公式的な謝罪および徹底した再発防止を要求します」という請願文に対して、回答を出した。
この請願文は、6月28日に投稿された。投稿者は、KBSが「“これが韓国の現実” 失望の末、法廷で3連敗、革命は止まるか」というタイトルで報じた動画に対して、「深い遺憾と抗議の意」を伝えた。
投稿者は「実際の報道内容とかけ離れた刺激的な表現や歪曲が含まれたタイトルおよびサムネイルが使われている」と主張し、「“これが韓国の現実”という表現は、該当するKBSの報道では直接的に引用されたり登場したりしていない。これは、今年3月のBBCインタビューで使われた文を借用して文脈を刺激的に加工したもので、報道の信頼性を損なう行為だ」と指摘した。
また、「法廷で3連敗」という表現についても、「法的争いが現在も1審で進行中の段階であるにもかかわらず、まるでスポーツの試合結果のように表現されており、視聴者に誤解を与える可能性がある」とし、「中立性と客観性が命である公共放送の報道として不適切な表現」と問題視した。
この請願は、7月25日18時現在、1902人の賛同を集めている。KBSの視聴者請願は、30日以内に1000人の賛同が集まると、その請願に対する回答を出さなければならない。
これを受けてKBSは、「KBSニュースに対する関心に深く感謝する」とし、「該当のデジタルコンテンツは、HYBEとNewJeans間の専属契約紛争に対する裁判所の判断を扱った映像であり、タイトルおよびサムネイルの文言は、映像に含まれたリポートだけでなく、全体的な事案の文脈を考慮して制作された」と説明した。
続けて「アイドルおよびファンダム文化に関連する事案は、視聴者の多様な観点と反応があり得ることを認識している」とし、「今後もこの点を考慮し、多様な意見を積極的に受け入れ、より慎重にコンテンツを制作していく」と伝えた。
要するに、謝罪や取り消しの意思は「ない」ということだ。
先立ってKBSは5月、同じくNewJeansに関する報道で謝罪したことがある。
問題視されたのはデジタルコンテンツで、そのタイトルは「揺れるNewJeans、ヘリン脱出?“脱出は知能順”vs“事実無根、金の亡者”」というものだった。
この報道に対して、4月7日、視聴者掲示板に「悪意ある報道の中断と公式謝罪を要求する」という投稿があり、投稿者は「『脱出は知能順』などの刺激的な文言を含めて再生数を誘導し、虚偽の情報を流布したことに深い遺憾を表する」と述べた。
この視聴者の投稿には、5月2日午前10時までに3826人の賛同が集まった。
そしてKBSは公式回答として、「サムネイルの文言などが不適切であるとの指摘があり、それを受け入れて当該コンテンツは非公開とした」とし、「今回の件で不快に感じられた視聴者の皆様に謝罪申し上げる」と頭を下げている。
今回の請願に対するKBSの回答は、報道内容や表現の妥当性について視聴者の多様な意見を尊重する姿勢を見せたものの、5月に示したような「謝罪」や「コンテンツの削除」には至らなかった。
同じような批判に対して、KBSの対応が報道ごとに異なることからも、公共放送としての責任の取り方に一貫性があるのかどうか、視聴者の目がより一層厳しく向けられることになりそうだ。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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