女性シンガーソングライターのアン・イェウンが、原始的な“音の恐怖”を携えて帰ってきた。
アン・イェウンは7月17日18時、デジタルシングル『地縛』をリリースした。猛暑の夏を吹き飛ばす“納涼シリーズ”第6弾として、今作も独自の世界観でファンを魅了する構えだ。
「耳で聴く納涼特集」というコンセプトのもと、2020年から『Trumpet Creeper(ノウゼンカズラ)』『CHANGGWI(倀鬼)』『RATvolution(鼠)』『HONGRYEON(紅蓮)』『GAWUI(厭夢)』といった、ユニークなストーリー性を携えた楽曲を発表してきたアン・イェウン。今回の『地縛』でも作詞・作曲・編曲すべてに関わり、さらに日本語版の制作にも自ら携わったという。
アン・イェウンとの一問一答は以下の通り。
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Q.早くも6作目となる“納涼シリーズ”ですね。新曲『地縛』について、簡単に紹介をお願いします。
A.今回のモチーフは“地縛霊”です。特定の場所に強い執着を持ってとどまる存在――という点がとても興味深く、他者にその場を侵される地縛霊の視点になって曲を作ってみました。
Q.音で恐怖を描く」という企画意図のもと、毎年納涼シリーズを出していますが、今回特に意識した点は?
A.これまでの『Trumpet Creeper』や『HONGRYEON』といった楽曲では、私自身が気づかないうちに、リスナーの方々は“痛快さ”を感じてくださっていたようです。というのも、韓国の幽霊信仰には、社会的に疎外された人々が“霊”になるという構造があり、私がその人たちの声を代弁する役割を担ったことで、ある種のカタルシスを与えることができたのだと思います。
私はこの納涼シリーズを可能な限り長く続けていきたいと思っているので、毎回違った語り口で展開するのではなく、昨年の『GAWUI』で試みた「音で恐怖を描く」という原点に立ち返って今回は制作しました。
Q.今回はご自身で日本語版にも挑戦されたそうですね。初の日本語バージョン収録となった理由は?
A.私はもともと比喩や暗喩を多用する、かなり饒舌な作詞スタイルでして(笑)。昨年10月に日本でライブをした際、他の楽曲を翻訳するのも本当に苦労しました。今回の楽曲は、私の普段の楽曲と比べて物語性が比較的シンプルだったので、「これは翻訳できるかも」と思って挑戦してみました。良いチャレンジになれば幸いです。
Q.『CHANGGWI』以来タッグを組んでいるデザイナーのムン・ジュンスさんが、今回のMVにも参加しています。見どころは?
A.最初にお声がけしたとき、「幽霊を描けるなんてワクワクします!」とおっしゃっていて、心から楽しんで取り組んでくださるだろうという確信がありました。『CHANGGWI』のMVでも素晴らしい映像を作っていただいたので、今回も安心してお任せできました。特定の見どころを挙げるというよりは、映像全体の雰囲気を味わっていただければと思います。
Q.ストーリーテリングが光るシリーズに、毎年ファンも期待を寄せています。“アン・イェウンの夏”を楽しみにしている方々にメッセージを。
A.この納涼シリーズは、私が1年のうちで最も楽しみにしている企画ですし、だからこそ長く続けたいという想いも強いです。毎年、無限に悩んだ末に、ようやく形になる作品ですので、それぞれの“味”を楽しんでいただければ幸いです。皆さんが健康に夏を乗り切れますように。いつも応援、本当にありがとうございます。
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