『サイコだけど大丈夫』『涙の女王』などで知られる俳優キム・スヒョンが、今まさに四面楚歌の状況に追い込まれている。
これまで、故キム・セロンさんとの“未成年交際”疑惑に対して所属事務所を通じて沈黙と否定を続けてきたキム・スヒョン。しかし、その対応も限界を迎えつつある。
3月27日、キム・セロンさんの遺族側は記者会見を開き、2人が“未成年時代から交際していた”という主張を裏付ける証拠を公開した。
その中には、2016年当時にやり取りしていたメッセージアプリ「カカオトーク」の内容、そしてキム・セロンさんが2023年4月に書いた手紙の文面も含まれていた。
とりわけ注目されたのは、キム・スヒョンが送ったとされる“愛情を示すメッセージ”の数々だ。「会いたい会いたい」「いつ君を抱いて眠れるかな」といった言葉に続き、キム・セロンさんが「チュッ(キス音の表現)」と送ると、「あとで実際にしてね」と返していたやり取りが明かされた。
さらに、同年3月に所属事務所ゴールドメダリストから損害賠償を求める内容証明を受けた直後、キム・セロンさんがキム・スヒョンに宛てて綴ったが、届けられなかったという手紙も公開された。そこには「私たちが付き合ったのは約5~6年になる」「初恋であり、最後の恋だった」といった文言が含まれており、2人の関係が長期に及んでいたことがうかがえる。
これらの資料が事実であるならば、キム・スヒョンが主張してきた「成人してからの交際」という説明は、大きな説得力を失うことになる。遺族側の弁護士も、「仮に交際を否定するのであれば、これは“グルーミング行為”と見なされかねない」と警鐘を鳴らしている。
現在、芸能界ではキム・スヒョンが抱える違約金の規模にも関心が集まっている。台湾で予定されていたファンミーティングのキャンセルによる違約金だけでも約13億ウォン(約1億3000万円)とされており、さらに主演を務めるDisney+の新作ドラマ『ノックオフ(Knock Off)』の配信も保留状態に。損害額は数百億ウォン(数十億円)に達する可能性もあるという。
一方で、これまでのように事務所を通じた否定では、もはや世論を説得できない空気がある。未成年交際を否定するのであれば、そのための確たる証拠が必要だ。そうでなければ、沈黙はただの逃避と受け取られかねない。
すでにその代償は現れ始めている。高級ブランド「PRADA」、アウトドアブランド「EiDER」、大型マート「ホームプラス」などは広告の掲出を中止。また、契約が終了間近だったベーカリーブランド「Tous Les Jours」やフレグランスブランド「JO MALONE LONDON」も、再契約を見送る判断を下した。
さらに、今月新たに契約を結んだばかりだった家電ブランド「CUCKOO中国法人」も、「広報活動を中断する」と公式に発表。台湾・高雄で予定されていたファンミーティングも主催者側がキャンセルを告知し、チケットは全額返金された。キム・スヒョン側は「安全上の理由による延期」と説明したものの、実質的には中止と見られている。
あまりに多くのものを失いはじめている今、沈黙を続けることは、キャリアそのものを手放すことと同義になるかもしれない。否定するにせよ、認めるにせよ、最も求められているのはキム・スヒョン自身の言葉だ。
(記事提供=OSEN)
◇キム・スヒョン プロフィール
1988年2月16日生まれ。2011年に放送されたペ・ヨンジュン企画のドラマ『ドリームハイ』(KBS)で一躍人気を集めた。日本でも大ヒットしたドラマ『星から来たあなた』で演技力が高く評価され、アジア各国で不動の人気を誇っている。内向的な性格を心配した母親から演劇を勧められたことをきっかけに、俳優を志すようになった。
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