紆余曲折を経て、ようやく公開が決まった韓国映画『勝負』。監督がユ・アインの出演シーンについて言及した。
3月7日、ソウルCGV龍山(ヨンサン)アイパークモールでは『勝負』の制作発表会が行われ、イ・ビョンホン、コ・チャンソク、ヒョン・ボンシク、ムン・ジョンヒ、チョ・ウジン、キム・ヒョンジュ監督が登壇した。
『勝負』は、韓国囲碁界のレジェンド、チョ・フニョン(演イ・ビョンホン)が弟子のイ・チャンホ(演ユ・アイン)との対局で敗れたあと、勝負師として再び頂点を目指す物語。
本作は当初、Netflixオリジナル作品として全世界配信される予定だったが、主演のユ・アインが違法薬物使用の疑いで一審判決において実刑判決を受けたことで、公開が無期限延期に。結局Netflixとの契約は成立せず、最終的に3月に劇場公開されることが正式に確定した。
その後に公開された予告編やポスターにユ・アインの姿はなかったため、本編からも全カットされたのではないかと注目を集めた。
キム・ヒョンジュ監督は制作発表会で、ユ・アインの登場について言及。「予告編や宣伝用のビジュアルは、多くの人々の目に触れるため慎重に配慮した」と前置きしつつ、「しかし、本編に関しては物語の構成や本来の企画意図を考えると、すでに完成した映画を再編集することは作品が成立しなくなってしまうと判断した」と説明した。
続けて、「この映画はチョ・フニョンとイ・チャンホ、2人の物語だ。もちろん、物語の重心はチョ・フニョン側にあるが、それでもイ・チャンホを無視して話を進めることは構造的に無理があった。ご覧いただければ納得してもらえると信じています」と話した。
さらに、「監督としては、この映画が世に出る前にすでに意図しない形で傷ついてしまいました。それなのに、私自身がさらに作品に傷をつけるようなことはしたくなかった。劇場に足を運んでくださる方々には、意図した通りの形で映画を届けることが筋だと思っています」と慎重な姿勢を示した。
そして、最終的に劇場公開となった経緯についても述べている。「配信プラットフォームの決定には、監督が大きく関与できる仕組みにはなっていない。これはビジネスの領域なので、Netflixとの間で立場の違いがあったのではないかと思う」と述べた。
その上で、「私自身はもともと劇場公開を目指して準備をしていた。やはり、映画は映画館で観てもらうのが一番だと思っている。観客の皆さんにスクリーンを通して、この作品を届けられることが本当に嬉しいし、長い間努力してきた俳優陣やスタッフたちに心から感謝したい」と語った。
映画『勝負』は3月26日より韓国で公開。
前へ
次へ