現代社会に潜む陰謀論“世論操作”に強烈な疑念を提起する新たなクライムスリラー映画『コメント部隊』の見どころを、監督自らが解説する。
現代社会を動かす世論の中心はもはやマスコミではなく、SNSやオンラインコミュニティのようなサイバー空間といわれ、フェイクニュースが社会を混乱に陥れることもある今日。本作は、そんな我々の世論が形成されるサイバー空間を誰かが支配しているかもしれないという現代社会に潜む陰謀論、「世論操作」に強烈な疑念を提起する。
主演はドラマ『私の解放日誌』、映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』などで知られるソン・ソック。その他、優れた演技力で早くから映画界の新星として注目を浴びるキム・ソンチョル、キム・ドンフィ、ホン・ギョンら若手俳優たちが名を連ねている。
国家情報院の世論操作事件を題材にしたチャン・ガンミョン氏の同名小説が原作となる本作は、アン・グクジン監督が待望の9年ぶりの新作として、脚本も手掛けた渾身作。2008年、短編映画『うちへ遊びにおいで』(原題)でデビューしたアン監督は、2015年の映画『誠実な国のアリス』で韓国社会を赤裸々かつ愉快に風刺し、マスコミと批評家から好評を得て映画界の次世代監督として注目された。
コメント部隊やネット世論操作など、周囲で一度は聞いたことのある身近な話だが、現実の問題でありながら誰も実態を確認したことのない、斬新かつ曖昧なテーマを選んだアン監督は、「現代社会に潜む陰謀論について、目の前で見せることができる映画ではないか。単なる1つのネットの話ではなく、今私たちが生きているこの社会環境についてすべて盛り込みたい」と演出したきっかけについて語り、「『コメント部隊』は面白い陰謀論があふれるネット投稿のような映画だと思う」と語ったように、映画はコメント部隊の実態からネット世論操作をする方法、それによって生じるバタフライ効果までを赤裸々に描き、現代社会に痛烈なメッセージを投げかける。
「永遠に消えることのないネット世界で、何度でも見返せる映画になってほしい」と願いを語ったアン監督。現実的なストーリーを独特な語り口で表現することで有名なだけに本作は今まで見たことのない上質な犯罪ドラマとして観客の脳裏に刻まれることだろう。
映画『コメント部隊』は、2025年2月14日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開。
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