K-POPを担う歌手たちがダイエットによってパニック障害、拒食症、うつ病など多様な精神病理学的疾患を経験していることが明らかになった。
SBSスペシャル『ボディメンタリー “体重”に関する告白』では、K-POPを代表する女性スターたちの生涯を通じて、偏った美の基準が彼女たちに及ぼした影響が焦点となった。
その番組には、K-POP界で一時代を風靡したキム・ワンソン、KARAのハン・スンヨン、Secretのチョン・ヒョソン、SISTARのソユ、MAMAMOOのファサらが出演し、身体の美しさについて深い話を語った。
華やかな外見の裏に隠されていた彼女たちの率直な告白は、視聴者に衝撃と深い共感をもたらした。
『食べられない女性たち』『キー120(身長から体重を引いた数字が120にならなければならないという過酷な基準)』『恥、罪』『最低体重』『私の摂食障害』『ジレンマ』の全6章で構成されたこのボディメンタリーは、アイドルの美の基準に反旗を翻したファサのエピソードから始まる。
個性的な外見に自信を持っていたファサは、デビュー初期に経験した脱退署名運動を回想し、「アイドルの宿命ではあるけれど、当時は特に美の基準が厳しかったように思う」と語った。
外見管理を仕事の一環と考えていたハン・スンヨンは、KARAのヒット曲『ミスター』活動当時を振り返り、苦笑いを浮かべた。
ローライズパンツと短いトップスを着こなすために、水分摂取さえ控えながら数カ月活動し、さらに痩せた姿になったという。
ソユとファサは、純粋に歌手を目指していた子ども時代から直面した予想外の障壁について生々しく語った。
練習生時代、毎日体重を量られ評価されていたことや、ファサが餅を1つ隠れて食べた罪悪感から吐き気を催した経験を告白。その後、拒食症とうつ病を発症し、「これではいけない」と思うようになったという。
急激なダイエットによって路上で倒れ、緊急搬送されたソユは、点滴を受けながらも体重増加を心配し、結果的にパニック障害を発症したと語った。
極端な体型管理のストレスのなか、アイドルにとって「キー120」は避けられなかった。これにより、体重という数字に執着せざるを得なくなったという。
暴飲暴食と急激なダイエットを繰り返していたチョン・ヒョソンは、50kgで活動していた頃を振り返り、「職業上の責任を果たせなかった気がした」と告白した。
体重という「数値」を達成できなければ「恥辱」を感じるこの悪循環は長年続いてきた。
1980年代後半、大衆歌謡界で旋風を巻き起こし「ビデオ型歌手」時代を切り開いたキム・ワンソンも例外ではない。
大事故によって一夜で4~5kg減少し、最低体重を記録した彼女は、その細身の体型が好評を得たことで15年間その体重を維持した。アイスクリームを数口食べただけでステージに立っていた時代を「輝いていた分だけ空腹だった時代」と振り返った。
2024年現在も、外見に対する評価は続いている。ハリウッドの「悪質コメントを読む」企画のように、自分の外見に関する悪質コメントを冷静に受け入れようとする時間を持った彼女たち。
しかしその心を整理するまでには、多くの葛藤を経験しなければならなかった。特に、プレッシャーを歌に込めた『Maria』のファサは、自分の歌がファンに勇気を与えたと聞き、声を上げ続けることを決意したという。
拒食症、過食症、パニック障害、特発性じんましんなど、それぞれが最低体重を記録しながら経験した苦難。そして、その瞬間に失われていたのは「本当の自分」だった。どん底を経験してようやく悟った真実を伝えたくて、このドキュメンタリーに参加したという。
韓国の国民健康保険公団によれば、過去5年間で20歳未満の女性拒食症患者が97.5%増加している。この状況を受け、制作陣は「私たちが考える“美の基準”について、一度率直に話し合う必要性を感じた」と語っている。
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