NewJeansが「NewJeans」でいられるのはいつまで?過去事例も多いグループ名権利問題、“商標権侵害”なら刑事処罰の可能性も

2024年12月05日 話題 #NewJeans

NewJeansが「NewJeans」として活動できるのは、一体いつまでなのだろうか。

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NewJeansは11月28日に実施した緊急記者会見で、11月29日午前0時をもって所属事務所ADORとの専属契約を解除することを宣言した。

メンバーたちは「午前0時を過ぎると、私たちはNewJeansという名前を使うことができなくなるかもしれない」としつつ、「でも、NewJeansという本質は変わらず、私たちはNewJeansという名前を諦めるつもりもない。商標権の問題ではなく、私たち5人が初めて会った日から今までのすべてのことが込められている名前なので、NewJeansという名前の権利を確保できるよう努力する」と主張した。

NewJeansがADOR退社後もグループ名を使い続ける意思を示したことから、契約解除以降のグループ名をめぐって商標権訴訟が起こる可能性がある。

NewJeans
(写真提供=OSEN)NewJeans

最近ではテレビ朝日の『ミュージックステーション』や日本テレビの『ベストアーティスト2024』、フジテレビの『2024 FNS歌謡祭』に出演していたが、そこで「NewJeans」というグループ名を公式に使用したとすれば、今後ADORが商標権侵害に伴う損害賠償を請求することができる。

なお、NewJeansのメンバーたち本人は29日以降、番組内の挨拶で「NewJeans」という名前を使用していない。

商標権を手放したくない事務所

もっとも、NewJeansが今後ADORとの専属契約紛争で勝訴したとしても、「NewJeans」というグループ名に対する権利(商標権)はADORにあるため、グループ名を維持できるかは未知数だ。

一般的なアイドルの場合は、第三者による無断盗用を防ぐため、グループの結成とデビューを担当する芸能事務所が商標権所有の主導権を持つことになる。

しかし、改正標準契約書第8条(商標権など)によると、「企画業者」(芸能事務所)が取得した商標権は、アーティストがグループの一員として活動した場合、事務所とグループのメンバー間で合意された内容に基づき、契約終了時に権利を移転することが可能だ。

ただし、事務所の費用投資などを考慮し、アーティストがこれに対する「適切な」代価を支払わなければならないと明示されている。そのため、K-POP界では商標権をめぐる訴訟が起きることは決して珍しいことではない。

商標権を持つ事務所の立場としては、高いブランド価値を持つグループ名を簡単に放棄することはできない。前事務所が商標権を移転しない限り、メンバーは今後の活動で既存のグループ名を使用することが難しくなるためだ。

商標権訴訟で“名前を守った”グループ

K-POP界では、H.O.T.や神話(SHINHWA)といったボーイズグループが、長期にわたる商標権訴訟を通じて「グループ名を守った」事例に挙げられる。

H.O.T.は2018年に再結成してコンサートを開催した当時、「H.O.T.」のグループを基にした「High-five of Teenager」の名前を使用したことで、「H.O.T.」の商標権者でSMエンターテインメント元代表のキム・ギョンウク氏と法的紛争を行った経緯がある。

キム・ギョンウク氏は「自身が(H.O.T.の)商標権所有者だ」とし、公演主催社のソルトイノベーション相手に商標権侵害禁止訴訟を起こした。

ただ、最終的にキム・ギョンウク氏が提起した商標登録は「無効」と判断され、キム・ギョンウク氏の敗訴となった。

神話もSMエンターテインメントから商標権を譲り受けたJUN MEDIAと法的闘争を繰り広げた末、裁判所の調停を通じて商標権を譲り受けた。

神話
(写真提供=OSEN)神話

近年の傾向は「無償譲渡」

そんななか、最近では事務所がアーティストに商標権を譲渡する傾向が続いている。

アーティストが事務所を退社した後、代価を支払って商標権を購入することに「合意」したり、事務所が無償でアーティストに商標権を譲渡する先例が出てきているのだ。これは、商標権をめぐる攻防が双方にとって負担になるだけではなく、商標権がもたらす当面の経済的価値よりもさらに大きな価値を狙ったことで現れた変化と解釈されている。

これに先立ち、WoollimエンターテインメントはボーイズグループINFINITEに対し、グループ名に関する商標権をメンバーたちが設立した芸能事務所INFINITEカンパニーに無償で移転したことで話題を集めた。

Woolimエンターテインメントのイ・ジュンヨプ代表は、本紙『スポーツソウル』の電話取材に「20代前半の若い時期を“INFINITE”という名前で活動した子たちだ。その子たちの名前を奪うことはできないと判断した。いずれにしてもこうなったのだから、INFINITEと関連した商標権をプレゼントした」と明かしている。

INFINITE
(写真提供=OSEN)INFINITE

最近では、YGエンターテインメントがクォン・ジヨンの活動名であるG-DRAGONの商標権を、G-DRAGONが現在所属するギャラクシー・コーポレーションに無償で譲渡した。その結果、G-DRAGONは新しい事務所でも既存の活動名を使用することが可能になった。

YGはすでに昨年にも、専属契約が終了したiKONのメンバーに商標権を渡している。GOT7もJYPエンターテインメントに一定の代価を支払った後に商標権を譲り受け、現在もグループ名を維持している。

NewJeansに刑事処罰?商標権めぐる今後の展望

だが、契約解除に関する合意すらまともにできなかった状況で、NewJeansとADORが商標権をめぐって合意し、譲渡される可能性は現時点で低い。

訴訟とまでは行かずとも、ADORがNewJeansの契約解除を受け入れ、NewJeansが独立して活動を続けることになれば、グループ名を変更しなければならない可能性が高い。

実際、『Rollin'』で再ブレイクを果たしたBrave Girlsは前所属事務所Braveエンターテインメントとの専属契約が終了した後、ワーナー・ミュージック・コリアと新たに契約を結んだが、「Brave Girls」というグループ名を継続使用できず、現在は「BBGIRLS」として活動している。

BBGIRLS
(写真提供=OSEN)BBGIRLS

日本でも人気を博したBEASTも、2009~2017年で在籍した前事務所CUBEエンターテインメントとの契約終了後に商標権をめぐって合意に至らず、2017年からグループ名を「HIGHLIGHT」に変更した。ただ、今年4月にCUBEエンターテインメントと7年越しに合意し、「BEAST」の商標権を手にすることになった。

NewJeansの場合、仮に商標権侵害が「故意的だった」と判断されると、NewJeansは刑事処罰を受ける可能性がある。

とある法曹界の関係者は、「万が一、登録された商標権が有効に存在する状況で、商標権のない者がその保護範囲内で勝手に商標を使用した場合、これは商標権侵害になる。そうなると、損害賠償などの民事上責任と7年以下の懲役、または1億ウォン(日本円=約1062万円)以下の罰金に処される刑事処分にまで繋がりかねない」と見解を示している。

◇NewJeans プロフィール

2022年7月22日にミュージックビデオを公開しながら電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートインした。

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