尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が発令した非常戒厳令下で戒厳司令官に任命されたパク・アンス陸軍参謀総長(大将)が、過去に韓国地上波のリアリティ番組に出演していたことがわかった。
韓国では12月3日23時頃、尹大統領が突如として非常戒厳令を発令した。ただ、国会が4日1時頃に在籍議員190人全員の賛成で非常戒厳令の解除要求決議案を可決したことを受け、尹大統領は同日4時頃に非常戒厳令の解除を表明。44年ぶりに宣言された戒厳令はわずか6時間での解除となった。
非常戒厳令下の発令直後には「戒厳司令部」が設置されたのだが、そこで尹大統領より戒厳司令官に任命されたのが陸軍参謀総長のパク・アンスだった。
パク・アンスは任命直後、「戒厳司令部布告令(第1号)」として、「国会と地方議会、政党の活動と政治的結社、集会、デモなどの一切の政治活動を禁じる」「自由民主主義体制を否定し、転覆を企てる一切の行為、フェイクニュース、世論操作、虚偽扇動を禁じる」「すべてのメディアと出版は戒厳司令部の統制を受ける」「社会の混乱を助長するストライキ、サボタージュ、集会行為を禁じる」「専攻医をはじめ、ストライキ中あるいは医療現場を離脱したすべての医療関係者は、48時間以内に本業に復帰し、忠実に勤務し、違反した際は戒厳法によって処断する」「反国家勢力など体制転覆勢力を除く善良な一般国民は、日常生活の支障を最小化するよう措置する」と布告。
「以上の布告令を違反した者に対しては、大韓民国戒厳法第9条(戒厳司令官特別措置権)に基づき、令状なしに逮捕、拘禁、押収捜索ができ、戒厳法第14条(罰則)によって処断する」と伝えていた。
ただ、非常戒厳令が解除されたことで、パク・アンスも戒厳司令官の席を降りることになった。そんななか、パク・アンスが過去にテレビ番組に出演していたことが再注目されている。
パク・アンスは2014年6月、韓国地上波MBCのリアリティ番組『本物の男』(原題)の海龍連帯編に出演した。同番組は俳優やタレントなどの出演者が軍隊に入隊し、実際に訓練を体験するという内容で人気を博した。
そんな番組内で、キム・スロやリュ・スヨン、ソン・ジニョン、サム・ハミントン、ソ・ギョンソクなどの出演者が、当時の第50歩兵師団連隊長だったパク・アンスに転入申告をし、敬礼も行った。
パク・アンスは出演者一人ひとりと握手をしながら、「声が大きい」「覚悟が素敵だ」と激励の言葉を送った。また、「海竜連帯へようこそ。自負心を持って良い」と伝えていた。
なお、パク・アンスは1968年9月23日生まれの56歳。陸軍士官学校の46期で、任官以降は准将、少将、中将を経て2023年10月に大将に進級し、陸軍参謀総長となっていた。
そんなパク・アンスが戒厳司令官に任命されたことを受け、韓国のネット上では『本物の男』出演時の動画を再チェックし、「戒厳司令官が『本物の男』に出演」「11年間に星が4個も増えた。驚異的だ」「連隊長から11年後に戒厳司令官」「戒厳司令官をバラエティで見た」などの反応を示していた。
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