違法薬物使用の疑いが持たれている俳優イ・ソンギュン(48)と警察の主張が交錯している。
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警察はイ・ソンギュンが薬物使用を認めたと発表した一方、イ・ソンギュン側は「不眠症の薬だと思って飲んだ」と否認するような陳述で反論している。
11月4日午後、イ・ソンギュンは仁川論峴(インチョンノンヒョン)警察署で3時間にわたる2度目の取り調べを受けた。彼は「江南(カンナム)の遊興施設のマネージャーA(29、女性)に騙され、麻薬だと知らず服薬した」といった趣旨の供述をしたとされている。
そんななか、この発言はイ・ソンギュンが警察の被疑者尋問に応じる過程で“誤伝”されたものだという主張が飛び出た。今回の捜査について事情をよく知っている関係者は、本紙『スポーツソウル』に「遊興施設のAから受け取った薬はあるが、麻薬なのかは確実ではない。明確に麻薬を使用したと認めたことはない」と話した。
警察は捜査段階で「Aからもらった薬が麻薬だとは知らなかったのか」と質問した際、イ・ソンギュンは「知らなかった」と答えたという。この言葉が「麻薬だとは知らなかったが、投薬したのは事実だ」と解釈されたものと見られる。
なお3日には、国立科学捜査研究院による毛髪精密検査が陰性と出た。麻薬成分が検出されると予想されたが、客観的な証拠が出なかったため、イ・ソンギュンの捜査は長期化する見通しだ。
これに伴い、供給していた現役医師とAへの対質尋問が重要なものとなる。警察はイ・ソンギュンの供述をもとに追加で捜査を行ったあと、3度目の取り調べを行う予定だ。
法律事務所セナのペク・ジユン弁護士は「国立科学捜査研究院の検査が最も正確ではあるが、古い事件であれば見つけにくいこともある」とし、「フォレンジック(デジタルデバイスに記録された情報の回収や分析調査)の結果と他の人の陳述が正確にチェックされれば、それだけで十分な証拠と認められる。まだ無罪と言うのは難しい状況」と解説。
使用していたかと同時に、回数も重要なポイントになるようだ。最初はいくら不眠症の薬だと思って服用したとしても、回数が多ければ「麻薬だとは知らなかった」という主張は通らない。
ペク弁護士は「粉末状の麻薬を水や飲み物に溶かして飲む場合、麻薬であることを知らずに服用する事例もある」としつつも、「概して麻薬の快楽を忘れることができず、数回使うことになる。何度も投薬したなら、“麻薬だとは知らなかった”という言葉も意味を持たない。最初は知らないかもしれないが、ずっと知らないはずはない」と明らかにした。
いずれにせよ、イ・ソンギュンが服薬していた薬が本当に不眠症関連のものだったとしても、イメージに大きな傷がつくことは不可避だ。女優の妻と思春期の子供を持つ優しい父親のイメージが強かったため、特大の損傷は免れない。
なお、Aは遊興施設で働きながら、イ・ソンギュン、G-DRAGON(本名クォン・ジヨン)などの有名人と親交を深めてきたという。Aは顔見知りの現役医師から供給された麻薬をイ・ソンギュンに渡した疑いが持たれており、使用場所として自宅を提供していた。
また、Aは薬物などで前科6犯となっており、今回の事件でも拘束前の簡易検査で大量の向精神薬成分が検出された。そして同遊興施設の従業員も警察の調査で、Aとヒロポンを投薬したと認めたことがある。
ある映画関係者は「“税金、軍隊、不倫は国民情緒法上3大死刑”という言葉がある。イ・ソンギュンが浮気していたという情報もあることから、無罪だったとしても早期復帰は難しそうだ」として、「時間が経ったとしても、何事もなく(作品に)出るのは難しい」と明かした。
◇イ・ソンギュン プロフィール
1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』(原題)でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン(日本の里見脩二)役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ~恋が出来るまで~』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。
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