NCTやaespaの受賞コメントに違和感…所属事務所のゴタゴタに言及するK-POPアーティストたち

2023年02月20日 話題

これまでSM所属アーティストたちは、授賞式や公式の場で常に「イ・スマン先生、ありがとうございます」「SMありがとうございます」という受賞コメントを愛用してきた。

(写真提供=OSEN)aespa

しかし今回は、SMエンタの内紛を意識したせいか、そのコメントがなかった。彼らは「お姉さん、お兄さん」という遠まわしな表現で、自分たちのために苦労してくれるスタッフに感謝の挨拶を伝えた。

音源部門(昨年7月)の受賞者として舞台に上がったaespaは、「今後どんな活動をすることになっても素敵な音楽で帰ってくるので、多くの関心をお願いする。会社の皆さん、お姉さん、お兄さんたちに感謝する」と話した。

NCTは第1四半期のフィジカル部門の受賞者として参加した。NCTを代表して舞台に上がったドヨンは、「僕たちはファンと、そばで苦労してくれる兄姉さんたちさえいれば、動揺することなくもっと頑張れる。僕たちNCTはもっと大きくなって素敵になるだろう」と述べた。

(写真提供=OSEN)NCTドヨン

SMエンタ、そしてイ・スマン前総括に対する感謝の代わりに、今後の活動に対して屈しない意志で感想を伝えたわけだ。

現在、SMエンタをめぐる経営権紛争は、暴露戦の様相で激化している。「イ・スマン+HYBE」と「SM現経営陣+カカオ、ALIGN」がSMエンタの経営権を巡り対立中だ。

HYBE側が筆頭株主のイ・スマンの持分を電撃買収し、窮地に追い込まれたイ・ソンス現SM代表が、イ・スマンの脱税疑惑などを提起して反撃に乗り出した。海外版ライク企画(イ・スマンの会社)「CTP」の存在を広く知らせ、イ・スマンが不動産事業権の欲望にaespaなどのアーティストを活用したという暴露も飛び出した。

HYBEの反論とSMエンタの再反論、そして再びHYBEの追加の立場発表が連日続いている状況だ。そんななかでSMエンタ所属アーティストたちも、複雑な内部状況をうかがわせる発言を相次いで出している。

先立ってSHINeeのキーは、リパッケージアルバムでカムバックした後に進行したライブ放送で、アンコールコンサートを開いてほしいというファンの言葉に「僕も誰よりもライブをやりたい人間ではあるが、わからない。今、会社が騒がしくて」と間接的な心境を伝えた。

左からキー、テヨン、ドヨン

SUPER JUNIORのリョウクは、経営権紛争に飛び込んだカカオについて遠まわしに言及した。チョコレートを食べていた彼は「カカオ」について話している途中、ビクッとして「怖い」と言い、メンバーたちも「気をつけなければならない」と意味深長な冗談を残した。

少女時代のテヨンは2月16日、個人チャンネルに映画『生き残るための3つの取引』のワンシーンを掲載。その映像には、俳優リュ・スンボムが「本当に皆、一生懸命生きている。一生懸命生きて」と皮肉を言って、舌打ちする姿が盛り込まれた。特にコメントはなかったが、SMエンタが経営権をめぐって内紛を経験しているため、テヨンがこれに対する不便な心境を伝えたのではないかという解釈が出たりもした。

経営権紛争、ファンの心が最も重要か

そんななかSMエンタの株価は、HYBEが提示した公開買収価格である1株当り12万ウォン(約1万2000円)を超えた。

HYBEはSMエンタ株の25%確保を目標に公開買収に乗り出したが、カカオも1株当り買入単価を13万ウォン(約1万3000円)以上に高める“対抗公開買収”を通じて経営権の買収戦に飛び込む方針であり、経営権紛争の最後の激戦地になる3月の株主総会の「投票者の心」がいつにも増して重要となった。

(写真提供=SMエンターテインメント)イ・スマン前総括プロデューサー(左)とイ・ソンスSM代表

HYBEとSMエンタは、いずれも小口株主の引き締めに乗り出しているようだ。これは最終的に、ファンの民心が重要になりうるという意味でもある。結集力の強いファンが小口株主として声を出す可能性も排除できないためだ。

HYBEが早くから世論固めの作業に入ったのも、そのためだと分析される。HYBEはSMエンタ筆頭株主のイ・スマンの持分を買収するという公示を掲載し、3日後の2月13日にSM買収合併と関連した職員説明会を開いた。

その席でパク・ジウォンCEOは、「SMにはSMだけの価値がある。そのカラーを守り続け、彼らがさらに拡張できるよう支援する」とし、SMエンタの独立性を強調した。SMエンタをHYBEが買収した場合、SMエンタのアイデンティティが崩れるのではないかという反発する世論を意識したものと見られる。

一方でイ・ソンスSM代表は2月16日、イ・スマンの脱税とパワハラを暴露する映像でNCT 127と書かれた衣装を着て登場し、aespaの涙に言及してファンの心を刺激したりもした。

現在、ファンはSMアーティストの“口”に注目している。

SMアーティストを支持する、とあるファンは「ほとんどのファンはSMがHYBEのレーベルに編入されることを望まない雰囲気だ。HYBEアーティストに1位を譲っても、SMという自負心で持ちこたえたが、その時間を否定された感じだ」とし、「ファンの心でSM株を持っているファンが多い。ただ、もしかするとそのようなファンの団結力や動きが、私たちが支持する歌手の今後の活動に害になるのではないかと懸念の声も多い」と話した。

(写真提供=SMエンターテインメント)NCT 127

SM所属アーティストたちは現在、混乱のなかでも淡々と新しいアルバムとコンサートを準備している。aespaとNCTドヨンの受賞感想のように、“揺らぐことなく”予定されたスケジュールを消化している。

SHINeeのキーに続き、3月6日にはオンユがソロで1年ぶりにカムバックし、3月中旬にはEXOのカイが新しいソロアルバムで帰ってくる。NCT DREAMは今年、全世界22都市で32回の公演を予告した大規模なワールドツアーを開く。カムバックが延期されたaespaは、2月16日に未公開新曲『Salty & Sweet』の振り付け練習動画をサプライズ公開した。aespaは2月25~26日に初の単独コンサートも開催する。

とある業界関係者は「アーティストが直接、経営権紛争について声を出すのは容易ではないだろう」と予測した。同関係者は「SM非登記理事を務めているカンタとBoAも、まだ現役で活動しているため、イメージとファンのために言葉を慎んでいるようだ。後輩グループはより慎重になるだろう」とし、「黙々と活動するのが自分たちの最善だと考えることができる。ただSMの新しいオーナーが決まった後、年数の長いアーティストを中心に、一部から反発心を表わす可能性もある」と見通した。

【写真】aespaが“渋谷のギャル”に大変身

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アーティストが“後回し”になると主張、SMエンタがHYBEの公開買収に断固反対

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