世界的な人気を誇るBTS(防弾少年団)・Vと手を握ったナ・ヨンソクか、人気ユーチューバーを前面に押し出すキム・テホか。
韓国を代表する“スター演出者”であるナ・ヨンソクPDとキム・テホPDが真剣勝負を繰り広げる。
ナ・ヨンソクPDは2月24日に韓国tvNを通じて公開される『ソジンの家』(原題)で、キム・テホPDは3月4日に韓国ENAを通じて放送される『地球マーブル世界旅行』(原題)で視聴者に会う。
学年が同じナ・ヨンソクPDとキム・テホPDは、似ている点が多い。
それぞれライバルの延世(ヨンセ)大学(ナPD)と高麗(コリョ)大学(キムPD)を卒業した後、KBSとMBCを代表するスターPDとなった。自分だけのキラーコンテンツのなかで、世界観を拡張させている点も似ている。さらには2人とも新生レーベルを通じて新作を公開する点まで同じだ。
ただコンテンツのカラーは、はっきりと違う。
ナ・ヨンソクPDは旅行や料理を通じて見慣れない環境に置かれた“疑似家族”形態の出演陣が協力する姿を扱う。KBS在職時代、2012年の『1泊2日』親友特集を通じて“ミデヒョン”というキャラクターを得た俳優イ・ソジンを筆頭に、『花より』シリーズ、『ユン食堂』シリーズなどに世界観を拡張させていった。新しい環境で、見慣れたキャラクターに変わった面白さを加えるのがナ・ヨンソクPDの長所だ。
一方でキム・テホPDは、どこに飛んでいくかわからない奇抜さが強みだ。MBC在職時代の『無限挑戦』を通じてバラエティ芸能の基礎を築き、国民的司会であるユ・ジェソクを前面に押し出した『遊ぶなら何する?』でシンドロームを巻き起こした。退社後に披露したTVING『ソウルチェックイン』と『カナダチェックイン』では、“スーパースター”イ・ヒョリの人間的な一面とペットに向けた温かい心を強調した。
お互いのカラーが明確に異なる2人のスターPDが、わずか1週間の差で新作を披露するだけに、放送界の注目が集まっている。2人の新しいコンテンツの長短所を見ていこう。
『ソジン家』は、ナ・ヨンソクPDの代表作『ユン食堂』のスピンオフのような新しい“フランチャイズバラエティ”だ。『ユン食堂』で理事、常務、専務など多様な職責で活躍した俳優イ・ソジンが、いよいよ自身の名前を掲げた食堂『ソジンの家』の代表に就任した。
イ・ソジンは、理事に昇進したチョン・ユミ、部長のパク・ソジュン、インターンのチェ・ウシクと共に、新しい顔であるBTS・Vまで加わった“アベンジャーズ従業員”軍団を構築し、メキシコの小さな町バカラールで韓国式ホットドッグを販売する。
海外での食堂バラエティは、ナ・ヨンソクPDが数年間にわたってノウハウを蓄積してきたプロジェクトだ。パンデミック期間中、国内旅行バラエティ『ユンステイ』で無念を晴らした制作陣が、決心して物色した町がバカラールだ。休養地だったインドネシア・バリ、代表的な観光地であるスペインから中南米・メキシコまで進出し、視聴者に見どころを提供する。
その間、出演陣の存在感はますます高まった。2017年の『ユン食堂2』を通じて初めて縁を結んだパク・ソジュンは、マーベル・シネマティック・ユニバースの映画『ザ・マーブルズ』にキャスティングされるほど世界的なスターに浮上した。
『夏休み』『ユンステイ』に合流した俳優チェ・ウシクは、アカデミー賞4冠に輝いた映画『パラサイト 半地下の家族』を通じて世界に顔を知らせた。そこにパク・ソジュン、チェ・ウシクと親しいBTSのVが合流し、それこそワールドスター従業員軍団を形成した。
既存の人物と新しい人物が呼吸を合わせていく過程、親しい友人同士の絡みは、ナ・ヨンソクバラエティの見どころのひとつだ。ただ、ドキュメンタリーを撮るように静かに日常を放送しているため、似たような内容が繰り返され、放送の最後に勢いが落ちる部分が短所に挙げられる。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョンは、「“慣れ”はナ・ヨンソクPDの最高の長所であり、短所でもある。ただ『ソジン家』は、グローバルスターのVをキャスティングし、グローバル進出に対する期待を高めたという点で期待を集めている」と分析した。
ENAで放送予定の『地球マーブル世界旅行』は、旅行クリエイター3人であるパニーボトル(本名パク・ジェハン)、クァクチューブ(本名クァク・ジュンビン)、ウォンジ(本名イ・ウォンジ)が、幼い頃に誰もが一度はやってみたことのあるボードゲーム「ブルーマーブル」のようにサイコロを投げて、本当に世界旅行をするコンテンツだ。
彼らは約3週間にわたって地球5周に匹敵する25万kmを行き来する。移動手段も多様だ。飛行機、汽車、バス、船だけでなく、トゥクトゥク、人力車などで陸海空を行き来しながら13種類の移動手段を体験する。
エンデミック後、各放送社が旅行バラエティ番組を次々と吐き出しているが、『地球マーブル世界旅行』は若者世代に人気が高い、スターユーチューバーのユニークな旅行挑戦記という点で差別化を図る。
前出のチョン・ドクヒョンは、「キム・テホPDはトレンドを最もよく読むPDの一人だ。出演陣もやはり・·ジェソクとイ・ヒョリに続き、現在の放送で最もラブコールが多く、今後の人気者になる可能性が高いユーチューバーを前面に押し出したという点が期待を集めている」と話した。
サイコロで目的地を決め、コンテンツ累計再生回数1位には宇宙旅行という特典を与え、出演陣の目的意識を確固たるものにした点も観戦ポイントだ。旅行専門家であるユーチューバーたちが紹介する旅行地と、彼らが本当に宇宙に発つかも期待を集めている。
ただ、当初はYouTubeコンテンツとして企画された作品であるため、一般バラエティ番組とコンテンツのきめ細かさが異なる。出演陣も中高年層の視聴者には馴染みのない顔だ。チャンネル自体が新生チャンネルのENAだ。
キム・テホPDは2月13日、本紙『スポーツソウル』との電話インタビューで、「YouTubeのユーチューブの精製されていないコンテンツを放送用に脚色中だ。旅行クリエイターたちと協業の場を開いたという点に番組の意義がある」とし、「宇宙旅行が直ちに実現するかはわからないが、宇宙旅行の商品を出した旅行会社と接触している」と話した。
キム・テホPDは「『テオ』という会社を設立した後、今後会社を率いる後輩PDたちのデビュー作なので、直ちに結果を出すよりも可能性に注目してほしい」と頼んだ。
なお『ソジンの家』は2月24日20時50分にtvNで、『地球マーブル世界旅行』は3月4日19時50分にENAで初放送される。
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