『財閥家の末息子』におけるソン・ジュンギの活躍はすさまじかった。放送開始前から寄せらえていた大きな期待と関心にしっかりと応えるかのように、代替不可能な演技力と時代を超越するビジュアルでドラマをけん引した。
ユン・ヒョヌ役では、スニャングループのオーナーリスクを管理する秘書として冷徹なカリスマと緻密かつ知的な魅力で視聴者を魅了した。パリッと着こなしたスーツ姿に、どんな状況でも揺れることのない剛直な目つきがキャラクターに力をもたらした。
また、貧しかったユン・ヒョヌの過去を繊細な環状線で描き出し、短い回想シーンでも説得力に深みを加えた。特に、貧困の車輪から抜け出せないユン・ヒョヌが、苦々しい怒りを吐き出す演技は多くの視聴者の心を痺れさせた。
一方のチン・ドジュン役では、ユン・ヒョヌと対峙点に立っているように感じながらも、実は同じ内面を持つチン・ドジュンの立体性を熟練の演技力で消化した。
毎回のように繰り広げられるスニャン家の継承争いで、“前世の記憶”を武器に勝利を得るチン・ドジュンの姿は視聴者にピリッとするカタルシスをもたらした。興業と成功が保障された映画はもちろん、株式や事業に投資して莫大な富を得つつ、IMF危機と株価暴落を予想してスニャン家を危機に陥らせたりもした。
痛快なストーリー展開と“一発”の面白さがあるソン・ジュンギの演技には、老若男女誰もが自然とドラマに没入する魅力があった。
そんなソン・ジュンギは、『財閥家の末息子』最終回を目前に控えた12月25日、所属事務所HighZium studioを通じて放送終了への思いを次のように打ち明けた。
「いつの間にか『財閥家の末息子』も最終回の放送を控えるだけとなりました。終わりが近づくと、改めて初めて台本を読んだときから最後の撮影をした日まで、これまでのことがずっと思い出されます。今夜がその長い旅の終わりだというので、色々な感情が行き来しています」
「何より、『財閥家の末息子』が放送される間、ドラマを主題に家族、友人の間でお互いに共感し、疎通できるようにしたという反応がほんとうにありがたかったです。このように意味があり、価値のある作品を作るためにともに苦労した俳優、スタッフの方々にもう一度感謝いたします。併せて、その努力の産物を応援し、この上なく愛してくださった視聴者の方々に心から感謝いたします。これからも健康でいてください」
ソン・ジュンギは『財閥家の末息子』を通じて、“大衆に信頼を与える俳優”という代名詞を改めて刻印した。それとともに、現状に満足せず絶えず変化を試みながら、多様な作品を通じて再び大衆と会う準備をしているだけに、早くも次期作にも注目が集まっている。
なお、『財閥家の末息子』最終回は本日(12月25日)22時30分から韓国で放送予定。日本での配信は未定だが、視聴必須の作品であることは間違いない。
◇ソン・ジュンギ プロフィール
1985年生まれ。2008年、大学生のときに映画『霜花店 運命、その愛』に出演しデビュー。いくつかのドラマ出演を経て、2010年に『トキメキ☆成均館スキャンダル』の主要キャストに抜擢されブレイク。2012年にはドラマ『優しい男』、映画『私のオオカミ少年』の出演を機に一躍人気俳優に。2013年に陸軍に入隊し、2015年に除隊した。翌年にドラマ『太陽の末裔~Love Under The Sun~』で復帰し、同作で共演したソン・ヘギョと2017年に結婚するも、2019年6月に離婚した。