同法第5条2項には、兵役義務や兵役免除などを履行せず、国籍を離脱・喪失して外国人になった人々に対して法務部長官が在留資格を付与しないと規定している。しかし外国国籍の同胞が41歳になれば、国内在留資格を付与することができるとも明示されている。
改正前の基準は「41歳」ではなく「38歳」で、ユ・スンジュンの場合は「38歳」が適用される。
そのためユ・スンジュン側は、「韓国国民でさえも38歳が超えれば兵役義務が消滅し、過去の過ちを問題にしないという趣旨で、この条項が作られたのではないか」と、継続的に入国が制限されていることを改めて不当だと指摘した。
しかし駐ロサンゼルス総領事側は、「一定の年齢を過ぎさえすれば無条件で、裁量の余地なくビザを発給しろという趣旨ではないようだ」とし、「ビザ発給は国家固有の主権行使で、最も広範囲に裁量権が行使される領域」と反論した。
両者が一歩も譲らず、2度目の弁論期日を終え、残すところは判決だけとなった。
1997年のデビュー後、数々のヒット曲でK-POPスターの地位に上がったユ・スンジュンは、人気絶頂だった2002年に入隊を控えて出国し、韓国国籍を放棄してアメリカ市民権を取得した。
以降、ユ・スンジュンが兵役を逃れるために韓国国籍を放棄したという指摘が続き、社会的な物議となった。韓国法務部はユ・スンジュンに対して入国禁止措置を下した。そのためユ・スンジュンは約20年にわたって、韓国に入国できずにいる状況だ。
ユ・スンジュンは2015年10月に在外同胞(F-4)ビザ発給を申請したが、駐ロサンゼルス総領事がこれを拒否すると、訴訟を起こした。1審、2審はユ・スンジュンの敗訴となったが、最高裁判所は破棄差戻し審を経てユ・スンジュンの勝訴判決を2020年3月に確定させた。
しかし韓国外交部は、最高裁判所の判決は適法な手続きを経て決定せよという趣旨であるだけで、ビザを発給せよという趣旨ではないとし、ビザの発給を拒否。ユ・スンジュンは再びビザの発給を申請して拒否されると、2020年10月、ソウル行政裁判所にビザ発給拒否処分取消訴訟を提起した。
ユ・スンジュンは1審で敗訴したため、控訴し、現在行われている控訴審の行方に大きな注目が集まっている。ソウル高等裁判所は、控訴審の判決を来年2月16日に宣告すると伝えた。
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