韓国でアーティストが芸能事務所の代表から暴言やパワハラを受ける事件が相次いで発生し、衝撃を与えている。
【衝撃】所属事務所の女代表からボーイズグループが暴行を受けた?
最近、とあるオンラインユーザーが自身のSNSを通じて、ボーイズグループOMEGA X(オメガエックス)の所属事務所代表がメンバーたちを暴行したという目撃談と、録音ファイルを公開した。
その録音ファイルには、所属事務所代表と推定される女性が男性に向かって鋭く叫ぶ声が含まれている。暴言を吐いた女性に、男性が「○○兄さんは倒れる一歩手前」と言うと、女性は「私は倒れた」と声を高めた。続いて誰かが倒れるような音がし、女性は「起きろ」と言い、1人の男性のすすり泣く声が聞こえた。
音声だけではあるが、現場の雰囲気が殺伐としていたことは明らかだ。それを直接目撃したという人物は、「手がとても震えてどうすればいいのかわからない。子供たちが目の前で殴られているのに何もできない」と、やりきれない心境を語った。
また別の人物は、その女代表が空港でメンバーたちに叫んでいたところを見たことがあるとし、追加の目撃談を伝えた。それらの“事件”に接したファンは、ハッシュタグで「#PROTECTOMEGAX」を残し、アーティストを保護してほしいと要求した。
一連の騒動を受けて所属事務所側は、10月24日に公式立場を発表。「すべての誤解を解いた」とし、「9月16日のメキシコ・グアダラハラから10月22日のロサンゼルス公演まで、約1カ月を超える時間にわたり、ツアーをすべて終えたあとに行った食事の席の後に起きた状況だ。そのなかでお互いに物足りない部分に関する話が出てきて、感情が激しくなって声が高まった」と釈明した。
OMEGA Xだけではない。先立って10月18日、また違う所属事務所の代表のパワハラと暴行疑惑が暴露された。
ヒップホップデュオ「ペチギ」のメンバー、タクが公式YouTubeチャンネルを通じて新曲『Lost』を公開したのだが、同曲には前所属事務所の代表で、ラッパーでもあるMCスナイパーの過去の行為が表現されていた。
歌詞には、「私とムウン(ペチギのメンバー)を呼んで、奉天洞(ポンチョンドン)の事務室前に立たせておいて、お前らが上手くいったと思うのかと殴った。食事代は5000ウォン(約500円)で、イベントのペイはセカンドアルバムの途中でもらった。いつでも手放すと言ったが、契約書を突きつけて埋めてしまうのは簡単だと急変した」などと書かれており、MCスナイパーのパワハラを連想させる内容が含まれていた。
韓国芸能界では、過去にも芸能事務所代表と所属アーティストによる同じような事件が起こっている。
大衆文化評論家のキム・ソンスは、「アーティストはアーティストでより良い事務所に行こうとし、事務所は事務所で投資に対する成果が出ないと考える。そんな考えの違いで衝突や葛藤が生じる」とし、「特に新人の場合、所属事務所との契約書で上下関係が明確になる」と話した。
続けて「以前に比べて芸能事務所が体系的に定着し、社会的な監視があることはたしかだが、ほとんどが契約関係により、不合理なことが起きても外部に知らせることができないのが現実だ。(芸能界のパワハラ問題は)慢性的な問題ではあるが、簡単になくすことが難しいシステムのようなものになっている」と説明した。
“パワハラ文化”への対策については、「基本的に所属事務所とアーティストは互いに助け合う運命共同体だと考えなければならない」としながらも、「そういった関係を維持するのが難しいのが現実だ。実際には芸能事務所が大部分の責任を担う構造になっており、所属しているアーティストたちは“おもてなし”を受けているのだが、それを知らないのも問題だ」と指摘した。
近年、K-POP産業がグローバルな影響力を持つようになり、パワハラ問題はこれ以上、看過できない事象として浮上している。所属事務所によるアーティストへのパワハラ問題を眺める視線だけでなく、制度とシステムの変化まで図るべきとの声も業界から出ている。
とある芸能事務所の関係者は、「このような慢性的な弊害は、特に10代の幼い頃に練習生生活を始めるアイドルたちに頻繁に発生している」とし、「所属事務所とアーティストの力の不均衡も改善されなければならず、まだ未成熟な年齢のアーティストたちの心理治療なども必要だ。K-POPアイドル産業の発展とイメージを一新するためにも、改善が必要な問題」と指摘した。
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