韓国では、BTSと所属事務所BIGHIT MUSICの“決断”が政界と世論に押されない形を演出したという点で肯定的だ。
実際にBTSの軍入隊については、K-POP界を越えて政界でも大きな関心事だった。
現行の兵役法施行令に大統領令で定める芸術・体育分野の特技を持った人として、文化体育観光部長官が推薦した人を「芸術・体育要員」として編入できるよう規定したが、K-POPアーティストなどの「大衆文化」分野が含まれなかったという点で、どんな芸術・体育要員よりも国威宣揚をしている大衆芸術家に対する公平性の問題が提起された。
しかし個人の私的な利益活動で得た人気を土台にした兵役特例がはたして正しいのかという反論も少なくなかった。そのため政界では、BTSの兵役問題が毎回のように話題になっていた。
さらに今年4月、米ラスベガスで開かれたHYBEのコミュニケーション総括(CCO)イ・ジンヒョンが「ここ数年間、兵役制度が変わっており、(適用)時点を予測しにくい点があってアーティストが苦しんでいるのも事実」とし、事実上、政界に動きを促すようなメッセージを伝えて世論が悪化したりもした。
各種の世論調査機関の調査方法と時期によってBTSの兵役特例関連の調査結果が異なっていたことも、この問題がどれほど論争の的であったかを伝える証拠だ。
そのためJINの入隊延期時点である今年末まで2カ月余りとなった今、外部要因ではなく、自ら入隊を決めたことで、むしろ「国民的グループ」として全国民の支持を集めることになるという見方が提起されている。
K-POP界ではBIGHIT MUSICの決定に対して、「少し残念ではあるが未来に向けた下絵だ」という反応だ。
とある関係者は「大衆音楽家の兵役特例を引き出すことができるグループは現在、韓国にBTSしかいない」とし、「BTSが兵役特例というラインを越えていれば、今後、他の後輩アーティストも続いた可能性があった。その部分は残念ではある」と話した。
いずれにせよJINの入隊後、BTSメンバーはそれぞれ個別に活動し、順次入隊するものと見られる。BIGHIT MUSIC側は「当社とメンバーたちは、およそ2025年にはBTS完全体活動の再開を希望している」と伝えた。
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