映画『EXIT』(イ・サングン監督)が“夏のスクリーン大戦”で、勝利の笑顔を見せた。
一年のなかでも夏は、映画の興行がピークを迎える時期だ。それだけに製作費100億ウォン(約10億円)を超える各配給会社の自信作が次々と公開され、熱い競争を繰り広げる。
今夏も韓国映画の“大戦”が繰り広げられたが、勝者は『EXIT』だった。
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7月31日に公開された『EXIT』は、ボックスオフィス1位を記録しながら快調にスタートを切ると、公開から1週間で損益分岐点である観客動員数350万人を突破。公開から25日が過ぎた8月24日には、観客動員数800万人を超え、今夏に公開された映画のなかで最も良い興行成績を収めた。
突然の災害状況で小市民の主人公たちが繰り広げる脱出劇を描いた『EXIT』は、従来の災害映画の枠を打ち破り、“現実”に焦点を当てた。どこにでもいるような登場人物たちが災害に直面したときの現実的な姿を見せ、脱出のために奮闘する内容を速いテンポで描いた。感動を強要するのではなく、あっさりとした笑いと共感があったと観客の支持を受けた。
とある映画関係者は「『EXIT』は全世代の観客が不快感なく、一緒に楽しめる内容で人気を得ることができた。今年は『極限職業』から『アラジン』まで、難しさがなく、誰もが共感できる映画が人気を得た。そんな流れのなかで、『EXIT』も緊張感あふれる展開と笑いが適切に調和し、快適に見ることができる映画だったため、成功することができた」と解説した。
『EXIT』に加え、『鳳梧洞(ポンオドン)戦闘』(ウォン・シンヨン監督)も損益分岐点を超えた。
1920年6月に日本軍を相手に、初勝利を収めた独立軍の話を描いた『鳳梧洞戦闘』は、8月25日に損益分岐点である観客動員数450万人を突破して、長期興行を続けている。『鳳梧洞戦闘』は日本への感情が悪化した現在、時期適切な作品とされ、多くの観客に響きを与えたという評価を受けている。
『EXIT』よりは若干遅れる速度だが、着実に口コミが広がって良い結果を得ることができた。
期待作だった映画『わが国の語音』(チョ・チョルヒョン監督)と『使者』(キム・ジュファン監督)は、興行成績で苦しんだ。
世宗(セジョン)大王とハングル創製の話を描いた『わが国の語音』は、ソン・ガンホ、パク・ヘイルなど演技派俳優たちが出演したことで期待を集めたが、公開前後に同作をめぐる歴史歪曲論議などが起こったこともあり、観客動員数は95万4008人にとどまった。
『使者』もパク・ソジュンやアン・ソンギなど、世代を超えて好感度の高い俳優が出演して期待されたが、観客動員数160万9573人と惜しい成績に終わった。
劇場で繰り広げられた“夏のビッグマッチ”が終わるなかで、次シーズンとなる秋夕(チュソク)連休前の期間まで、新たな作品が興行の“伏兵”としての準備を終えた。
8月21日に公開された映画『変身』(キム・ホンソン監督)は、公開後からボックスオフィス1位を維持している。ハリウッドの大作『ワイルド・スピード/スーパーコンボ」(デヴィッド・リーチ監督)という大きな壁があったが、『変身』は新鮮な恐怖ジャンルとペ・ソンウ、ソン・ドンイルら俳優の底力で、夏の終わりの興行作に浮上した。
さらに『ユ・ヨルの音楽アルバム』(チョン・ジウ監督)がメロドラマジャンル映画の予約率で歴代新記録を更新し、順調なスタートを切った。
8月28日に公開された『ユ・ヨルの音楽アルバム』は、メロドラマジャンル映画として初めて前売り予約券が10万枚を突破し、メロドラマジャンルの最高ヒット作『私のオオカミ少年』(チョ・ソンヒ監督)や『建築学概論』(イ・ヨンジュ監督)を上回った。
昨年同時期、メロ映画『君の結婚式』(イ・ソックン監督)がダークホースとして浮上しただけに、『ユ・ヨルの音楽アルバム』も同じ道を進むかと期待されている。
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