グローバルエンターテイメント企業Netflixが韓国のパートナー社との協業と共生を強調し、韓国と“同伴成長”していると話した。来る10月の国政監査を控えて、「良い企業」であることを強調している様子だ。
9月29日、「Netflixパートナーデー」のメディアオンラインイベントが行われた。そのイベントには、Netflixと協業している韓国パートナー社が参加した。
特殊メイク専門企業「CELLスタジオ」のファン・ヒョギュン代表、「Dexterスタジオ」DI(色補正)本部のパク・チニョン理事、音響関連会社「LIVETONE」チェ・テヨン代表、VFX(Visual Effect:視覚効果)専門企業「Westworld」ソン・スンヒョン代表、ダビングと字幕専門企業「Iyuno SDIグループ」オ・ヒェソクグローバル顧客ディレクターが参加した。
韓国コンテンツ総括のカン・ドンハンVice Presidentは、「Netflixはこれまで計80本の韓国作品を190カ国に披露した」としながら、「2016年の韓国進出以来、5年間で7700億ウォン(約770億円)を投資しており、今年だけで5500億ウォン(約550億円)を投資した。昨年は、映画、ドラマなど韓国コンテンツが世界的な大衆文化として跳躍した一年だった」と話し始めた。
続いて「『D.P.-脱走兵追跡官-』はコンテンツ業界を超えて、社会全般に大きな響きを伝えた。『イカゲーム』はNetflix韓国コンテンツとして初めてアメリカNetflixトップ10の1位を記録した」と成績を称賛した。
フィジカルプロダクト統括ディレクターのイ・ソンギュ氏は、「Netflixが韓国クリエイターたちと一緒に、国内産業のハロー効果を作り出した」とし、「コンテンツはウェブトゥーン(ウェブ漫画)、ウェブ小説、ファッション、観光、ビューティー、フードなど様々な産業全般に影響を及ぼしている。過去5年間の社会経済的な波及効果は5兆6000億ウォン(約5600億円)で、1万6000カ所の雇用を生み出した」と語った。
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続いて「企画から撮影、配給まで、すべてを共にし、ハロー効果を創出している。俳優、監督、作家を思い浮かべるかもしれないが、ひとつのコンテンツを完成させるためにはプロダクションパートナーとの協業も必要だ」とし、「『キングダム』で朝鮮王朝時代のゾンビを表現するための特殊メイク、CG特殊効果、音響など、さまざまな編集、ダビングや字幕制作、ポスター制作、そして配給まで続く」と説明した。
イ・ソンギュディレクターは「クリエイターに最高の職場環境を提供し、視聴者には最高のコンテンツを提供する。肯定的な経済効果を創出し、韓国コンテンツのグローバルな位相が高まった」と述べた。
続いてイベントでは、Netflix作品の音響、CG効果、字幕など様々な後方作業を共にするパートナーを紹介した。
CELLスタジオのファン・ヒョギュン代表は、「17人の従業員が勤務しており、2003年から200本以上の韓国作品に参加した。特殊メイク、身体メイク、映画『新感染半島ファイナル・ステージ』のゾンビ、『グッド・バッド・ウィアード』の撮影用の馬までに担当した。最初のインターナショナル映画は『オクジャ/okja』であり、以降『キングダム』『Sweet Home-俺と世界の絶望-』『静寂の海』(原題)などにも参加した」とした。
ファン代表は「制作過程を共にしたコンテンツを190カ国に見せるため、たくさんの神経を使った。『キングダム:アシンの物語』では、150日間に3000人余りのゾンビたちと共にした。『Sweet Home』では、一度も見たことがない怪物だったので悩みが多く、キャラクターのサイズと特性もまちまちだった。触手モンスターの触手を作ったことが記憶に残っている。新たな挑戦は、アーティストの創作領域を広げてくれる。体系的な制作環境を備えたパートナーだ。十分な事前制作期間を確保できることが最大の利点だ」と説明した。
DexterスタジオのDI本部パク・チニョン理事と、音響関連会社LIVETONEチェ・テヨン代表が続いて登場した。
パク理事は「Dexterスタジオは後方作業である色補正(DI)を担当している。色味を具現して、大作映画はもちろん、40%は韓国映画、TVドラマなどに参加している」とし、「同じ撮影物であっても色補正、サウンドミキシングによって変わる」と話した。
LIVETONEのチェ代表は、「音響技術的に最高のクオリティを出す過程であった。Netflixの世界的なガイドライン、持続的な交流で一緒に発展することができた」と語った。
パク理事は「色補正は、現場から後方作業まで撮影データを管理するものだ。現場からのデータを安定的に管理し、現場からクオリティを高めるために欠かせない役割を果たしている。DexterとNetflixが共にしながら、クオリティ向上を志向的に始めている」と述べた。
LIVETONEのチェ代表は『キングダム』のゾンビについて、「西洋のゾンビはのろのろとしているが、『キングダム』のゾンビは違う。走る、活動性の高いゾンビたちだった」と語った。
パク理事は「全世界にDexterのDI作業物を知らせ、新しいクリエイターたちと多様な物語を作りながら実力を認められたい」とし、チェ代表は「多様な作品を通じて新たな音響領域に挑戦してたい」と覚悟を明らかにした。
Westworldのソン・スンヒョン代表は、『Sweet Home』のバーチャルプロダクションとして撮影に多くの助けになったと説明した。
ソン代表は「通常、CG処理がされる部分は、想像しながら撮影しなければならいた。『Sweet Home』では、様々なモンスターをカメラ画面に直接具現しながら撮影した。筋肉モンスターなど、サイズ、走る速度、距離などは想像の中で計算された。モンスターのサイズがまちまちだったので、バーチャルプロダクションが多くの助けになった」とした。
続いて「スタジオ内部でのみ使用されたN CAMを野外撮影で使用しているのを見て、海外の専門家たちも驚いた」と付け加えた。
Iyuno SDIグループのオ・ヒェソクグローバル顧客ディレクターは、AIプログラムを通じて字幕・吹き替えサービスの物理的な作業を軽減するために努力していると付け加えた。オディレクターは、「まだAIが様々な国の情緒やニュアンスを置き換えることはできないが、高度化されたAIを通じて物理的な作業時間を短縮しようと努力している」と強調した。
なお10月の国政監査を控えてNetflixは、企業イメージの刷新に乗り出した。最近『イカゲーム』『D.P.』などで相次いでヒットを記録したなか、韓国と社会経済的にも“同伴成長”していることを強調した。
しかし映像伝送に伴うネットワーク利用の対価を置いて、SKブロードバンドとの訴訟を進行中だ。ネットワーク使用料は、韓国国内のOTTは負担しているが、海外OTTのNetflixなどは支払っておらず、公平性の論議がある。
今回の国政監査を意識したように、ネットワーク使用料の訴訟日程も延長した。
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