2020年の韓国では、“1日1『GANG』”ブーム(歌手RAINの楽曲『GANG』のMVを、1日に1回は見ることを意味)が巻き起こったが、2021年は“1日1『うんち踏んだね』”がトレンドらしい。
韓国の教育放送公社「EBS」のアニメ『ポテンドッグ』の挿入歌『うんち踏んだね』が、中毒性の強いメロディーと振り付けで、YouTubeやSNSを中心に熱い反応を得ている。
『うんち踏んだね』は、会社員、子供、警備員、おばあさんなど、様々な年齢と性別の登場人物が、それぞれペットの排泄物を踏んだ状況を、ダンスで滑稽に表現した歌だ。
この曲の魅力は、映像のあちこちに溶け込んでいる“K-POPの感性”と、“バカバカしさ”だ。悲壮感漂うキャラクターの表情と相反して、アイドルグループの有名な振り付けをオマージュしたダンスは、一体誰をオマージュしたのかも考えるのも魅力の1つだ。
SUPER JUNIORの『SORRY,SORRY』、2PMの『I hate you』、RAINの『GANG』のみならず、PSY、パク・ジニョン(J.Y.Park)、T-ARA、SHINeeなど、様々な振り付けが交じりながらも、新たな楽しみを提供している。
また「うんち踏んだんだ、うんち踏んだんだ、うんち踏んだんだ」とリフレインされるサビは、強烈な中毒性を帯びている。2000年代に流行したオートチューンや、音楽番組を彷彿とさせるカメラワーク、アイドル特有の表情も爆笑を誘発。韓国ネット民からは、「K-POP感性の結晶」「修能禁止ソングに指定すべきだ」など、様々な反応が出ているようだ。
『ポテンドッグ』の製作会社は、アニメ『変身自動車トボット』(原題)と『バイクロンズ』(原題)を製作した韓国企業「レトロボット」で、製作会社の社員が声を録り、製作会社代表の娘が振り付けを作るなど、楽曲制作の秘話も人気の要因と言われている。
YouTubeで『うんち踏んだね』の動画は、現在350万回以上の再生回数を記録。制作会社は音源の発売やプロモーションビデオまで公開し、大いに盛り上がっている状態だ。YouTubeにアップロードされたミュージックビデオは、再生回数400万回を遥かに超えるほどの人気を得ている。
またダンスカバー映像も後を絶たない。最近はEBSが運営するYouTubeチャンネル「Giant Peng TV」のキャラクター、ペンスーが、「ペンスーのうんち踏んだね」という動画を投稿するなど、その影響力は多方面に波及している。
ダンスチャレンジ映像のほかにも、振り付けのオマージュ元を分析する動画も爆発的に増えており、人気YouTubeチャンネルの「文明特急」は、自らレトロボット製作会社を訪ねて、インタビューを敢行したほどだ。
模倣行為を意味する“ミーム”は、昨年からインスタグラム、TikTokなどのSNSで流行し、芸能界のスターたちがこの人気を積極的に活用したため、今では1つの文化として定着している。前述したRAINの『GANG』や、Jessiの『NUNU NANA』などが代表コンテンツだ。
とあるテレビ関係者は、「SNSやYouTubeの影響力が、とてつもなく大きいことを実感している。『うんち踏んだね』も、中毒性のあるメロディーに合わせて歌いやすい振り付けが加わり、ネット上で流行っている。視聴者が直接参加するチャレンジなど、新たな楽しみを生み出している」と分析した。
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