有名ユーチューバーやインフルエンサーの“裏広告”論議が浮上した韓国では、公正取引委員会が来る9月1日から“裏広告”を禁止する内容を盛り込んだ「推薦・保証などに関する表示・広告審査指針」の改正案を施行する。
改正案によると、それを破ったときの課徴金は最大5億ウォン(約5000万円)、懲役2年の処罰まで可能となる。
去る7月、YouTubeで活躍するスタイリストのハン・ヘヨンや歌手カン・ミンギョンが、企業から広告費を受けていたにもかかわらず、まるで自腹で商品を購入したように紹介しているとの疑惑が浮上した。いわゆる“裏広告”が議論になると、有名ユーチューバーやインフルエンサーのコンテンツに対する指摘が相次ぎ、連日のように公開謝罪や引退宣言が行われた。
対価を受け取って商品や食品のレビューを紹介していたのに、実際には自腹で購入したかのようにファンを騙した結果になっており、その欺瞞に対して大衆の怒りが高まっている状況だ。
チャンネル登録者数470万人のユーチューバー、ムン・ボクヒは「広告なのに広告であることを明らかにしなかったことがある」と謝罪し、チャンネル登録者数400万人のボギョムも「広告であることを明らかにしていない動画が5件ある。申し訳ない」と頭下げた。有名ユーチューバーのツヤン(tzuyang)は“裏広告”議論を解明し、悪質な書き込みに苦しんだと引退を宣言した。
そんな状況のなか、韓国公正取引委員会は9月1日から“裏広告”を禁止する内容が盛り込まれた「推薦・保証等に関する表示・広告審査指針」の改正案を施行する。
改正案によると、不当な広告をした事業者は、関連する売上高や収益額の2%以下、または5億ウォン以下の課徴金が課される。検察の告発まで行われた場合、2年以下の懲役または1億5000万ウォン(約1500万円)以下の罰金に処せられる可能性もある。
ここで指す「事業者」は通常、広告を依頼した広告主を意味するが、公正取引委員会は相当な収益を得たインフルエンサーを「事業者」と認め、処罰することも可能だとしている。
審査指針は「表示・広告の公正化に関する法律」に基づいて、不当な表示・広告を行う際に適用される具体的な基準であり、その基準に従わない広告は不当広告の判定を受けることになる。
公正取引委員会の関係者は8月12日、「審査指針改正案の内容をよく知らず、不本意法に違反する事例が多く出てくると思われる。主な内容を広告主とインフルエンサーなどに伝え、自主是正を誘導するなど、啓発期間を先に作る予定だ」と明らかにした。
改正案に基づいて、インフルエンサーはコンテンツを投稿するとき、「経済的対価を受けた」という内容を消費者が簡単に見つけることができる位置に適切な文字サイズや色を使って表示しなければならない。「体験談」「Thanks to」のような曖昧なフレーズは禁止される。
YouTubeコンテンツの場合、タイトルや動画のスタート部分、末部分に経済的な対価を受けたというフレーズを入れ、コンテンツの一部だけを見る視聴者にもわかるように、そのフレーズを繰り返し表示する。
インスタグラムでは、経済的対価に関する内容を写真に表記しなければならない。写真と本文が連結され、消費者が容易に認識することができる場合は、本文の最初の部分や最初のハッシュタグに表示してもいい。
韓国公正取引委員会は8月中に改正案の内容をQ&A形式で簡単にまとめ、メディア別、ケース別の例示を含めた詳細資料を用意し、配布する予定だ。同時にキャンペーンなどを通じて集中的な広報にも乗り出す。
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