【前回】韓国俳優ソン・ガンホが語る演技の秘訣は、“真似より本質”【インタビュー①】
権力のカルテルを取り巻くストーリーが熱い反響を呼んだ韓国映画『インサイダーズ/内部者たち』(2016年)のウ・ミンホ監督の新作映画である『麻薬王』(原題)。
『インサイダーズ/内部者たち』が大きな衝撃を与えただけに、今回の『麻薬王』に対する期待は高まっていたが、それは主演を務めたソン・ガンホも同じだったという。
出演を決るにあたって大きく影響を与えたのも、監督の前作で強い印象を受けたから、と語るほどだ。
「『インサイダーズ/内部者たち』は、シンプルすぎる演出から“力”を感じたと言うか。なめらかな曲線というよりは、直線的な演出でありながらも力強かった。着々と紡がれていく演出のなかにパワーを感じられたのが本当に気に入った」
それなら、『麻薬王』の演出はどう思うのか。ソン・ガンホは次のように語った。
「まったく違うものになっていた。撮影する前から新しい演出を期待していたが、実際にそうなってよかった。今回は、『インサイダーズ/内部者たち』を彷彿とさせるような演出ではなく、曲線を描く蛇さながらの、渦巻くような印象を与えている。このように対比がはっきりとしているから、新感覚の映画になったのではないか」
“麻薬”というセンシティブな題材であるだけに、その“さじ加減”について監督と話し合ったりしなかっただろうか。
ソン・ガンホは「監督とは“そもそもこれは青少年観覧不可(R-18)映画だ”と話していた。加減をすると、この映画の本質が伝わらないかも、と疑ったところで意見が一致した」と振り返る。
そして「観る人が不快に思わない程度を意識しながら、常にそのような感覚で演じることを心がけた」と付け加えた。
韓国で12月19日に公開された映画『麻薬王』は現在、座席占有率1位を走っている。
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