生まじめすぎる警察官の銀行強盗劇『正しく生きよう』は、日本の映画『遊びの時間は終わらない』が原作だ。
始終笑いが絶えないなかでも社会の矛盾を鋭く描いたこの作品は、今も韓国のコメディー映画ファンに愛されている。主演のチョン・ジェヨンの無表情な演技が見る者の笑いを誘った。
東野圭吾作品や奥田英朗、宮部みゆきの原作も映画化されている。
『白夜行ー白い闇の中を歩く』(2009年)
東野圭吾原作の小説『白夜行』は日本でドラマ化された後、韓国、日本の順で映画化された作品だ。
原作者も認めたシナリオ、主人公の女優ソン・イェジンの夢想的な美貌と、事件を執拗に追う刑事役のハン・ソッキュの演技で原作の雰囲気をそのまま再現したと評価されたが、興行成績は振るわなかった。
『君はペット』(2011年)
日本でも人気のあるチャン・グンソク主演の映画『君はペット』は、タイトル通り日本のドラマが原作だ。特にロマンティック・コメディで魅力を輝かせる女優キム・ハヌルとの共演で期待されたが、この韓流スターに頼った企画は失敗に終わった。
(関連記事:俳優チャン・グンソク、兵役中にも関わらず練炭1万3000枚を寄付)
『容疑者X』(2012年)
福山雅治主演の映画『容疑者Xの献身』のリメイク。原作の緊張感に韓国特有のメローの感性を足した作品で興行成績も観客動員数150万人と、悪くない。
主演の熱演で評価も高かったが、原作とは異なる感性で原作のファンたちからは共感を得られなかった。
『南に走れ』(2012年)
奥田英朗の小説が原作の映画『サウス・バウンド』は、韓国で『南に走れ』というタイトルでリメイクされた。原作者の奥田英朗の人気と主演のキム・ユンソクの演技力、『私たちの生涯最高の瞬間』で成功したイム・スンレ監督の演出力で大きく期待されたが、原作の魅力を十分に生かしていないという評価が多い。
『火車』(2012年)
2度もドラマ化された宮部みゆきのミステリー小説『火車』は、韓国では映画としてリメイク。
原作とは異なる視点で事件を追い、設定と結末もアレンジされた。
この作品では、問題作を撮り続けたピョン・ヨンジュ監督の演出と女優キム・ミニの熱演。
興行的にも240万人動員という成績で成功した。
(関連記事:“韓国版ゲス不倫”ホン・サンス&キム・ミニ、韓国と海外の温度差ますます広がる「非難vs歓迎」)
『さまよう刃』(2014年)
娘を失った父親の復讐を淡々と描いた映画『さまよう刃』は、韓国特有の爆発する怒りと巨大な絶望に満ちた雰囲気でリメイクされたが、それらを巧みに操れるほどの演出力がなかったため、俳優たちの苦労だけが目立つ作品になってしまった。
『LUCK-KEY/ラッキー』(2016年)
多くの賞を受賞した映画『鍵泥棒のメソッド』は個性派俳優ユ・ヘジン主演の映画でリメイクされ、観客動員数690万人という大成功を成し遂げた。原作より一層強くなったコメディが成功のカギだった。
『パパはムスメ』(2017年)
ドラマにもなった『パパとムスメの7日間』の韓国リメイク版は、今ではありきたりとなってしまったボディーチェンジという設定と、主演のユン・ゼムンの不祥事によって残念な成績に終わった。
ヒロインのチョン・ソミンの渾身のコメディ演技が空しいというファンも多かった。