最近、韓国映画を原作とする日本映画が増えつつある。
例えば、篠原涼子や広瀬すずが出演して今年8月に公開された映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は、2011年に韓国で公開された映画『サニー 永遠の仲間たち』のリメイク作である。
また昨年公開された藤原竜也、伊藤英明主演の映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』も、2014年公開の韓国映画『私が殺人犯だ』が原作だった。
その一方で、韓国でも以前から日本の映画やドラマを原作とする映画が多く作られてきたことをご存じだろうか。
その代表作を一挙に紹介しよう。
『101回目のプロポーズ』(1993年)
1991年に放送されたドラマ『101回目のプロポーズ』は、韓国で同タイトルの映画としてリメイクされた。今も美貌を誇る女優キム・ヒエと、演技派俳優で今は政治や社会運動で活躍しているムン・ソングン主演のこの映画は、日本の映画を原作に選んだ独特の背景を持っている。
当時は韓国映画中興の初期で、さまざまな試作が行われていた。この映画も観客の反応とキャスティングについて事前にリサーチをして企画された作品で、それまであった「韓国の映画は面白くない」という先入観を覆すための挑戦のひとつとして評価されている。
日本でも大ヒットを記録したドラマであれば、韓国の映画ファンたちを満足させるという確信から作られたといえるだろう。
『リング』(1999年)
日本ホラー映画の代表作『リング』も韓国でリメイクされた。後にアメリカでもリメイクされるこの作品の興行成績は、ソウルの観客動員数だけで33万人と悪くなかった。
原作小説と違って主人公が女性など日本版を意識した作りだったが、日本版より完成度が落ちるという評価が多く、「完全に理解するためには超能力が必要だ」と皮肉る評論家もいた。
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『山銭水銭』(1999年)
矢口史靖監督の1997年作『ひみつの花園』のリメイク作『山銭水銭』(いろんな苦労を経験したことを表す山戦水戦と同じ発音)も、韓国の映画のファンの中では有名だ。
金が好きすぎて銀行員になった主人公が、銀行強盗が盗んだ金を探しまわる過程を軽快に描いたコメディーとなっている。
残念ながら、ソウルの観客動員数1万5000人という成績で忘れ去られた。
続いて、2000年代の韓国リメイク作を紹介していこう。
『波浪注意報』(2005年)
原作小説はもちろん、ドラマと映画でも多くの人から愛された『世界の中心で、愛を叫ぶ』が韓国でリメイクされた。
世界的な映画監督ウォン・カーウァイからヒロインに抜擢され、今は韓国だけではなく中国でも活躍中の女優ソン・ヘギョの映画デビュー作でもあるこの映画は、観客動員数32万人という成績で失敗に終わった。
『フライ・ダディ』(2006年)
主演デビュー作で観客動員数1000万人を達成し、一躍スターになった俳優イ・ジュンギの第2作で注目を集めたのがこの映画。タイトルからわかるように日本の『フライ,ダディ,フライ』のリメイク作だ。
原作者・金城一紀の作品は韓国でも人気で、スピーディーなテンポと感覚的な描写で多くの作品が映画化された。韓国のリメイク作も原作者の人気と主演イ・ジュンギの存在感、もう一人の主演イ・モンシクの演技力で期待されたが、それらを支える演出力の不足で惜しい結果を残した。
『愛なんていらない』(2006年)
日本のドラマ『愛なんていらねえよ、夏』は韓国で映画とドラマ、両方リメイクされた珍しい例だ。2006年にリメイクされた映画版は、当時人気だった女優ムン・グニョン主演で話題になったが、観客動員数54万人という良くない結果だった。
しかし2013年にリメイクされたドラマ版『その冬、風が吹く』は、15.8%の視聴率で同時間枠視聴率競争で1位となり、成功を収めた。
『覆面ダルホ』(2007年)
人気バンド・シャ乱Qのつんく主演の映画『シャ乱Qの演歌の花道』は、韓国で『覆面ダルホ』というタイトルでリメイクされた。
この映画の制作者でもある韓国のお笑い芸人イ・ギョンギュが日本で留学していたとき、原作の映画を見てリメイクを決めたという。観客動員数150万人という悪くない結果で、主演のチャ・テヒョンが歌った主題曲『二次線橋』も人気を集めた。
『正しく生きよう』(2007年)