共演した俳優陣の演技力が相乗効果を生んだこともあるだろう。それでも、ソン・イェジンにしか出来なかった。
韓国tvNドラマ『愛の不時着』が最高の視聴率でフィナーレを飾った。視聴率と話題性をかっさらい、「国民的ラブコメ」に仲間入りするなど、アジア全域で大ブームを巻き起こした立役者こそ、女優ソン・イェジンだ。
彼女は、完璧な演技で毎回作品に深い余韻を与え、視聴者を虜にしていった。
回を重ねるごと、緊張感溢れるストーリーとともに熱を上げる俳優たちの演技は『愛の不時着』の強みと言える。自然と、多くの関心と熱狂的な支持を受け、終映。その感慨もひとしおだった。
ソン・イェジンは「セリを演じながらたくさん笑い、たくさん泣きました。何より本当に幸せでした。私の役者人生の大部分を占めるほど素敵な作品に出演できて光栄でしたし、このドラマを愛してくれた多くの方々に心から感謝いたします。最後まで踏ん張れたのは皆さんのおかげです」と感謝に満ちた感想を述べた。
『愛の不時着』は、素材からして特別だった。
ソン・イェジンは、北朝鮮に不時着した財閥令嬢のユン・セリ役という、これまで見たことのない独特な人物をリアルなキャラクターとして誕生させた。
「ワーカホリック」の冷酷なCEOで冷たく傲慢な財閥令嬢の姿から始まり、北朝鮮という馴染みもなく恐ろしい空間に不時着した後は、第5中隊の北朝鮮軍はもとより、社宅村の夫人たちまで味方にする早い適応力と親しみやすさ、温かい人間味を持った相反する姿へと反転する過程を、一寸の違和感もなく演じ切った。
ソン・イェジンは、可愛さとおてんば姿を交互に表現し、コミカルな演技の絶頂を見せたかと思えば、リ・ジョンヒョクとのときめきと切なさが共存するメロ演技では、ラブコメ女王の底力を遺憾なく発揮した。また、絶体絶命の危機に陥ったシーンでは、身をかえりみず自分を投げ出すガールクラッシュ(同性の女性から憧れられるほどかっこいい魅力)な魅力も光った。
結果、ソン・イェジンにできないジャンルはないという評判から作られた修飾語「ジャンルがソン・イェジン」をもう一度証明した。
ドラマの結果が良かった理由には、ソン・イェジンの人間的な魅力も一役買っている。ソン・イェジンは現場メイキングを通じて、女優としての熾烈な演技熱はもちろん、現場の雰囲気を盛り上げる人間的な魅力まで見せてくれたのだ。
撮影関係者は「場面ごとに絶えずアイデアを提案し、監督はもちろん一緒に演じる俳優たちとリアルさを追求して辻褄を合わせるべく、意見を交わしながら悩む姿を見せる一方、つらい撮影スケジュールで疲れきった状況でも同僚たちと冗談を交わし、愉快な笑い声とリアクションで現場に活気をもたらした」とし、「女優ソン・イェジンのプロとしての情熱はもちろん人間的な彼女の魅力を感じさせた瞬間だった」と耳打ちした。
ソン・イェジンは『愛の不時着』を終えた後、たまっている広告撮影をこなし、しばらく休憩する予定だ。
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