“現地化”も効果なし? 日本原作のリメイク作が韓国で興行不振に喘いでいる理由

2018年10月03日 話題

日本原作のリメイク作品が、韓国で興行不振で苦しんでいる。

【2019年版】韓国でリメイクされた日本のドラマを一挙紹介。えっ、あのドラマまで!?

日本の小説やドラマ、映画を原作とするリメイク作品が、韓国ファンを狙っているが、ファンはあまり良い反応を見せていない。

原作の期待値が高いからだろうか。 これまでもそうであったように、日本原作のリメイク作品が興行で利益を得ない現象が、今回も続いている。

『ゴールデンスランバー』を韓国風に脚色したが…

2007年に伊坂幸太郎が発表した同名小説を原作とする映画『ゴールデンスランバー』は、2016年に映画『検査外伝』で旧正月特需を得た俳優のカン・ドンウォンを主演に抜擢。

(写真=韓国映画『ゴールデンスランバー』ポスター)

もう一度、旧正月特需を得ると期待していた。

しかも、『ゴールデンスランバー』は公開初日の2月14日、観客動員数が16万人を超えており、雰囲気は悪くなかった。

しかし、カン・ドンウォンのワンマンショーでは力不足であるというかのように、『ゴールデンスランバー』の勢いはすぐになくなった。

映画振興委員会の統合電算網によると、公開6日後の19日に観客動員数100万人を突破した『ゴールデンスランバー』は、それから一週間が経った27日午前になっても、観客動員数は135万人を超えなかった。

『ゴールデンスランバー』の制作費は約75億ウォン(約7億5000万円)で、損益分岐点は270万人だというが、そこまでの道はまだ遠い。

事実、『ゴールデンスランバー』は2010年、日本版の映画が国内で公開されたが、当時も、韓国ファンからは良い反応を得られなかった。

このことを知らなくない映画会社が、今回『ゴールデンスランバー・』を韓国の情緒に合わせて脚色。結末も原作とは異なるようにしたが、韓国ファンの興味を引くには不十分だったようだ。

これといった反響のない『Mother』

1月24日に『tvN』で放送開始したドラマ『Mother』もそうだ。

(写真=韓国ドラマ『Mother』ポスター)

日本で高い人気を集め、大きな賞も受賞した同名ドラマを原作とする『Mother』は、母親に虐待を受けて捨てられたヘナ(ホユル)のために、母になることを決意し、子どもを誘拐したスジン(イ・ボヨン)の物語。

家庭内暴力、児童虐待など社会的なイシューを扱った同ドラマは、原作に負けない細かな演出力と完成度で、好評を得ている。

ただ、全16回の『Mother』は、すでに半分以上の10回が放映されたが、これといった反響を起こしていない。

実際に娘がいる母親として、今回のドラマに期待をかけたイ・ボヨンの演技はすばらしいが、ドラマが社会的な議論を呼ぶことはできていない。

それでも平均2%台半ばをキープしていた視聴率が、2月22日に放送された10話で4.5%(ニールセンコリア集計・全国有料世帯基準)と2倍ほどに飛び上がり、一気に雰囲気が変わるようにも見えるが、はたしてこの視聴率が維持されるかは未知数だ。

明暗の分かれた日本原作のリメイク作品

もっとも、日本原作のリメイク作品が失敗するのは、今回が初めてではない。

コ・ヒョンジョンの主演作として話題を集めた『MBC』で放映されたドラマ『女王の教室』や、チュウォンとシム・ウンギョンが野心的に取り組んだ『明日もカンタービレ』(※編註:原題『のだめカンタービレ』)も、日本のドラマが原作だったが、期待に及ばない成績に終わり、悔しい思いをした。

ソン・ヘギョ、チャ・テヒョン主演の『波浪注意報』や、リュ・スンボムとイ・ヨウォン主演の『容疑者X』は、それぞれ日本の映画『世界の中心で愛を叫ぶ』と『容疑者Xの献身』をリメイクしたが、原作に対する期待が大きかったせいか、観客の反応はぱっとしなかった。

だからといって、毎度失敗するということでもない。

ユ・ヘジン主演の映画『LUCK-KEY/ラッキー』も日本の映画『鍵泥棒のメドッド』をリメイクしたが、予想外の大ヒットで観客動員に成功。

『KBS2』で放送された『花より男子』『職場の神』(※編註:原題『オフィスの女王』)、『勉強の神』(※編註:原題『ドラゴン桜』)などはリメイクで大成功を収め、多くのスターを輩出した。

また、最近、再放送した『MBC』の『白い巨塔』も、やはり日本ドラマをリメイクして人気を集めていた。

韓国版リメイクがウケない理由

こうした状況に対し、ある関係者はこう話す。

「日本原作のリメイクが低迷したケースは多い。そんな経験が積もったことが、興行を容易く期待しづらいという認識につながっているのも事実だ。日本の情緒が韓国の情緒と合わないから、そうなっているという分析もある。

それでも、どのように演出するか、また、公開時点の社会的な雰囲気も重要であるようだ。『LUCK-KEY』は、公開されたときに観客たちが探していた愉快な映画だった。

現在、『Mother』は、ドラマが伝える社会的なイシューよりも、さらに過激で極端な話題が続出しているから、ドラマにまで関心が向かないという面があるのだろう」

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