何カ月も心待ちにしていたコンサートが突然、中止という形で幕を閉じる。ファンにとって、これほど辛い知らせはない。
そして今、問われているのは「その後の対応」だ。
4月28日、CUBEエンターテインメントに所属するガールズグループ、LIGHTSUM(ライトサム)の日本ファンコンサート「BLOOMING PICNIC」の中止が発表された。
日本公式ファンクラブサイトを通じて、「2025年5月2日に予定していた『2025 LIGHTSUM FAN-CON [BLOOMING PICNIC]』の開催に向けて準備を進めていたが、諸般の事情により中止となった」と伝え、ファンに多大な迷惑と心配をかけたことを謝罪し、チケットの払い戻し方法も案内した。
メンバーたちは日本公式X(旧Twitter)などを通じて、開催に向けたカウントダウンを続けていただけに、残念がる声が相次いでいる。 それでも振替公演こそなかったが、迅速に「返金対応」を選択した点は評価できるだろう。
CUBEエンターテインメントの迅速な対応とは対照的なのは、少女時代・テヨンのケースだ。
4月17日、所属事務所SMエンターテインメント(以下、SM)は、テヨンの日本公式ホームページを通じて、4月19日・20日に東京・有明アリーナで予定されていた「The TENSE in JAPAN」の中止を発表した。
中止の告知は、なんと公演わずか2日前という異例のタイミングだった。
SMは「アジアツアーで使用している機材を日本へ輸送中だが、現時点でも到着しておらず、十分な準備ができない状況にある」と説明。テヨンにとっても、機材輸送の遅延という不可抗力でコンサートがなくなる、あまりにも理不尽な事態となった。
テヨンは翌18日、ファンとの交流プラットフォーム「Bubble」を通じて、「ファンに申し訳ない」と謝罪。「皆さんの努力と期待で作り上げたコンサートが一瞬で消えてしまったようで、まるで奪われた気分。虚しくて、やるせない思いをどう表現すればいいのかわからない」と、胸の内を率直に吐露した。
一方で、SMの対応は誠意あるものとは言いがたく、ファンの怒りは急速に高まった。
4月24日、テヨン自身がインスタグラムを通じて、グローバルファン連合が公開したフィードバックおよび補償要求声明文を共有。声明文では、以下の5点が求められている。
①本件に関する責任の所在を明確にし、SM第1センターおよび関連責任者に適切な懲戒処分を行うこと、②アーティスト・テヨンの公式SNSを通じた正式な謝罪文と声明の発表、③日本公演中止によるファンへの実質的な補償案の策定と、その内容の透明な公開、④今後の「The TENSE」ツアーにおける再発防止のための透明な運営と明確な公示、⑤日本公演の新日程発表の可否、および今後の開催計画について、明確な立場を速やかに公示すること。
しかし現在に至るまで、SMから具体的な対応も説明もないままだ。
事務所のミスによって公演が中止となったにもかかわらず、アーティスト本人に謝罪をさせたSMの姿勢に、ファンは二度にわたって失望し、怒りをあらわにしている。
LIGHTSUMのように、やむを得ない事情であっても、迅速で誠意ある対応があれば、ファンの受け止め方は大きく違ったはずだ。
ステージに立てなかった悔しさは、誰よりもアーティスト自身が痛感している。
コンサートの中止は避けられなかった。しかし、その後に何を示すか。今、事務所の本当の姿勢が厳しく問われている。今後、SMがどのような対応を見せるのか、ファンたちの注目が集まっている。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
◇テヨン プロフィール
1989年3月9日生まれ。韓国・チョンジュ市出身。2007年に少女時代のメンバーとしてデビューした。優れた歌唱力と色白で上品な顔立ち、優しい性格などが評価され、グループ内で高い人気を誇る。2015年に待望のソロデビューを果たしてからは「信じて聴く」という枕詞が付くようになった。2019年には映画『アナと雪の女王2』の公式カバーアーティストに抜擢。劇中のメイン楽曲『Into the Unknown』を歌った。
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