元BIGBANGのT.O.P(本名チェ・スンヒョン)が、Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』シーズン2(以下、『イカゲーム2』)への出演を悩んだことを打ち明けた。
1月15日午前、ソウル鍾路区(チョンノグ)小格洞(ソギョクドン)のとあるカフェでは、T.O.Pのインタビューが行われた。
2006年にボーイズグループBIGBANGのメンバーとしてデビューしたT.O.Pは、2022年2月にYGエンターテインメントとの専属契約が終了した後、同年4月にリリースされたシングル『Still Life』を最後に、2023年5月にBIGBANGを脱退したことを明言した。
そして今回、昨年12月26日より配信中の『イカゲーム2』にラッパーのサノス役で出演し、俳優として芸能界に戻ってきた。
サノスはHIPHOPサバイバル準優勝という経歴を持ち、かつてはラッパーとして人気を博したが、ユーチューバーのミョンギ(演者イム・シワン)がオススメした暗号資産(コイン)への投資に失敗し、借金まみれになってしまった人物だ。
何より、サノスは借金返済のためにゲームに参加していながら、麻薬を密かに持ち込んでネックレスに隠して服用するという特徴を持つ。T.O.Pは去る2016年、大麻使用の疑いで懲役10カ月、執行猶予2年を言い渡された過去があるだけに、“大麻問題”を起こした演者と重なる姿が注目を集めた。
そんなT.O.Pをめぐっては、『イカゲーム2』に出演する俳優イ・ジョンジェや俳優イ・ビョンホンらとの親交によってキャスティングされたのではないかという推測が膨らんだ。ただ、イ・ジョンジェやイ・ビョンホンは「事実ではない。キャスティングに関わるのは俳優の越権だ」と反論し、作品を手掛けたファン・ドンヒョク監督も「彼に可能性を感じ、足りない部分が見えるたびに数回のオーディションを行い、最終決定された」と、起用に関する疑惑を否定した。
ただ、T.O.Pの『イカゲーム2』出演が正式に伝えられると、ネット上では前出の大麻問題や過去に「韓国でカムバックしない」と“芸能界引退”を示唆する発言をしたことなどが掘り返され、非難の世論が強まった。作品公開以降も、T.O.Pの演技力やキャラクターに対する好き嫌いがハッキリと分かれ、議論が止まずにいる。
こうした自身の『イカゲーム2』キャスティング騒動について、T.O.Pは「とても気が重い。その中で反省する時間なども設けながら、責任感を持とうとした」と、本人としても苦しんだことを告白し、次のように語った。
「制作会社を通じてオーディションの提案を受けたが、自分もそのキャラクターが説明されたシナリオを見たときは当然悩んだ。自分の恥ずかしい過去に直面したキャラクターだ。いずれにしても率直に言うと、これはほぼ(麻薬関連の)イメージが定着される可能性もあるキャラクターだから、人間的にも非常に多く悩み、躊躇した」
そして、T.O.Pは「それでも、何か運命的に自分のところまで来たキャラクターではないかと思い、オーディション映像を撮って送った。そして、制作会社と監督に会ってミーティングを続けた。さまざまな議論の末に、もう一度テープを撮って送ってほしいと要請された。その過程を経てキャスティングされた」と、『イカゲーム2』出演に至った経緯を詳しく明かした。
続けて、「数え年で10年という時間の間、誰も自分という人間を見てくれなかった時期もあった。そのとき、ファン・ドンヒョク監督が初めて手を差し伸べてくれたし、監督が自分にくださった勇気と自分を信じてくださった信頼によって、自分も勇気を出すことができたと思う」とし、「それに報いるのが俳優としての道理であり、とにかく使われる職業なので、その信頼に応えてやり遂げることがまた別の宿題だと思った」と、ファン・ドンヒョク監督への思いも口にした。
その後、「久しぶりに演技した自分を見てどうだったのか」という報道陣の質問に、T.O.Pは「演技をする人間として自分が表現してみると、まったく客観的ではなかった。それでも、韓国国内及び海外の酷評と好評を見て参考にしている。それを踏み台にして、さらに成長しようと努力している」と答えていた。
(記事提供=OSEN)
◇T.O.P プロフィール
1987年11月4日生まれ、本名チェ・スンヒョン。2006年にBIGBANGのメンバーとしてデビューした。最年長メンバーであり、グループ内ではリードラッパーを務めた。2017年に義務警察として兵役をスタートさせたが、服務中に過去の大麻使用事実が明らかになり、社会服務要員に転換。2019年7月の除隊当時は秘密裏にファンミーティングを開催し、その場に駆け付けたファン一人ひとりと握手を交わすなど、ファンに対する並みならぬ愛情を見せた。2022年2月、YGエンターテインメントとの専属契約を解除。2023年5月31日、自身のインスタグラムを通じてBIGBANGを脱退したことを明言した。
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