俳優イ・ソンギュンさんがこの世を去って1年が経った。
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イ・ソンギュンさんは2023年12月27日、ソウル鍾路区(チョンノグ)のとある公園付近に停められた車内で亡くなった状態で発見された。48歳だった。
この世を去る前、イ・ソンギュンさんは麻薬投薬関連の疑惑で、3度にわたり警察の調査を受けた。
イ・ソンギュンさんは昨年10月、ソウル江南区(カンナムグ)の高級クラブで室長を務める女性A氏と、同氏の知人である別の女性B氏から脅迫を受け、現金3億5000万ウォン(日本円=約3815万円)を騙し取られたとし、女性たちを恐喝の疑いで告訴した。
ところが、A氏がイ・ソンギュンさんの麻薬投薬容疑を主張したことで、イ・ソンギュンは「恐喝の被害者」ではなく「麻薬容疑の被疑者」として警察の調査を受けることになった。
イ・ソンギュンさんは捜査過程で一貫して麻薬容疑を否定し、精密検査でも「陰性」が出た。しかしその間、イ・ソンギュンさんの麻薬疑惑は内偵の段階から公に報じられ、一部メディアはイ・ソンギュンさんとA氏が過去に交わした対話など、本来知られないはずの警察の捜査内容まで暴露した。
結局、3度の警察調査を終えたイ・ソンギュンさんは、捜査から約2カ月後にこの世を去った。
イ・ソンギュンさんがこの世を去った後、京畿(キョンギ)南部警察庁の反腐敗・経済犯罪捜査隊は、イ・ソンギュンさんの捜査情報を漏えいした疑惑のある仁川(インチョン)警察庁所属の幹部級警察官C氏を緊急逮捕した。
イ・ソンギュンの別れが伝えられた後、韓国芸能界は悲痛の色に染まった。
イ・ソンギュンさんに対する追悼の声は最近まで伝えられたが、俳優ソン・ジュンギは今年12月24日に放送されたMBC FM4Uのラジオ番組『完璧な一日、イ・サンスンです』(原題)にゲスト出演した際、好きな曲としてドラマ『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』のOST『Grown Ups』をチョイスした。『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』はイ・ソンギュンが主演を務めた作品だ。
当時、ソン・ジュンギは「最近、またドラマ(『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』)を見始めた。数日後にはとても愛するイ・ソンギュンさんの命日だ」とし、「ヒョン(兄さん)にまた会いたい」と恋しさを語っていた。
イ・ソンギュンさんと映画『スリープ』で共演した女優チョン・ユミも去る11月6日、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)のCGV汝矣島(ヨイド)で行われた「第45回青龍映画賞」のハンドプリンティングイベントで追悼のコメントを伝えた。
チョン・ユミは『スリープ』撮影当時の裏側について、「スタッフと監督に支えられ、その日その日にしなければならないことに対して上手く遂行したいという気持ちしかなかった」とし、「この質問を受けてから、私の相手俳優だったイ・ソンギュンさんのこともたくさん思い出す」と明かした。
10月に行われた「第29回釜山(プサン)韓国際映画祭(BIFF)」では、イ・ソンギュンさんを追悼する特別企画「美しい人、イ・ソンギュン」を実施。『坡州 パジュ』『ソニはご機嫌ななめ』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』『幸せの国』などの映画、『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』などのドラマといったイ・ソンギュンさんの代表作6作品とスペシャルトークイベントが行われた。
同日のイベントでは、『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』でイ・ソンギュンさんと共演した俳優パク・ホサンが、作中の名ゼリフである「私たちはあなたを信じる。恥じることはない。大丈夫だ」という言葉を伝え、イ・ソンギュンさんを追悼していた。
(記事提供=OSEN)
◇イ・ソンギュンさん プロフィール
1975年3月2日生まれ。2001年、MBCのシチュエーションコメディ『恋人たち』(原題)でデビュー。2007年のドラマ『白い巨塔』韓国版で正義感の強い“チェ・ドンヨン(日本の里見脩二)役”を演じてブレイクし、『コーヒープリンス1号店』『パスタ~恋が出来るまで~』『ゴールデンタイム』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』と数多くの人気ドラマに出演した。映画『僕の妻のすべて』『最後まで行く』『パラサイト 半地下の家族』などでも高い演技力を発揮。プライベートでは2009年5月に女優チョン・ヘジンと結婚しており、同年11月に長男が、2011年8月に次男が産まれている。2023年12月27日、48歳でこの世を去った。
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