契約解除宣言のNewJeansを批判した韓国の芸能事務所団体とは?新人アイドルの飛躍で変化した「力関係」

2024年12月03日 話題 #NewJeans

所属事務所ADOR相手に専属契約解除を宣言したガールズグループNewJeansに韓国の芸能事務所団体が批判の声を上げたなか、その背景に関心が集まっている。

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12月3日、韓国マネジメント連合(以下、連合)は公式発表したコメントを通じて、NewJeansの契約解除宣言で感じた産業従事者の虚脱感と、それによる波紋に対する懸念を示した。

これに先立ち、NewJeansメンバーのミンジ、ハニ、ダニエル、ヘリン、ヘインは去る11月28日、専属契約解除に関する緊急記者会見を行い、「ADORが契約事項に違反した」としてADORとの専属契約解除を宣言した。帰責事由はADORにあるため、NewJeansが違約金を払う必要がないという主張だ。

この主張に対し、連合は「すべての手続きを無視した現在のNewJeans側の立場は、最初から契約維持のために必要な相互間の努力をまったく念頭に置かないなど、そのような意思がなかったとしか解釈ができない」と痛烈に指摘した。

続けて、「誰もが宣言だけで契約の解除がなされるのであれば、どのようにすれば専属契約の効力を担保できて、このような不確実な契約を基に誰が投資できるのか」とし、「大衆歌手に対する我々の産業は、過去から今まで“先投資・後回収”の原則の下で行われてきた。だが、現行の法律はこのような会社の立場を考慮した措置がまったくない状況だ。このような次元から見て、現在のNewJeansのようなアプローチは、韓国の大衆文化芸術産業の根幹を揺るがす非常に悪質な方法だ」と強調。

最後に、「連合はNewJeansが既存の立場を撤回し、会社との対話に応じることを願い、当該の紛争が上手く終えられることを心から願う。最悪の状況に流れないことを切実に祈る」と強調した。

それとともに、「政府部署をはじめとする関係者たちが、当該の産業の長期的な発展のため、原点から議論できることを願う」とし、「我々の大衆文化芸術産業の継続的な発展のため、連合でも決して座視せず、当該の事案を継続的に見守り積極的な対応をするよう最善を尽くす」と付け加えていた。

NewJeans
(写真提供=OSEN)NewJeans

韓国マネジメント連合は、韓国の大衆文化の第一線で活動する約350のマネージャー及び芸能事務所が所属する政府の文化体育観光部認可団体で、2016年に設立された。

連合は芸能産業従事者に対する歪曲された社会的認識と立ち遅れた事業構造を改善し、韓流の成長に合った産業的制度を整えるという目標を掲げ、芸能産業発展のための政策研究・立法支援などの活動を行っている。

連合では、業界で発生する問題に対する対策準備を継続的に要求してきた。

実際、過去にはガールズグループFIFTY FIFTYと所属事務所ATTRAKTが専属契約紛争を起こした際、タンパリング(契約終了前の事前接触)を公式に指摘した経緯がある。

最近もFIFTY FIFTY脱退メンバーのセナ、シオ、アランが復帰しようとする動きが捉えられると、今年10月に声明文を発表し、批判をした経緯もある。

当時、連合は「タンパリングを主導したアーティストが既存の契約関係を無視し、活動を再開しようとする試みはそれ自体が非倫理的であり、芸能界全体の信頼度を大きく落とす問題だ」と強調し、「このような行動が継続的に容認されれば、既存の専属契約は何の拘束力も持たなくなるでしょう。また、今後も契約を無視して利益だけを追求する形態に従う可能性が高くなり、最終的に産業全般にわたり混乱と不信を招くことになるだろう」と主張した。

それとともに、「我々はすべてのアーティストが自分たちの行為に対する責任を負い、契約の法的、倫理的義務を遵守することを促します。併せて、タンパリングによる被害を防止するための法的措置を強化し、類似の事例が再発しないよう積極的に対応する」と明らかにした。

FIFTY FIFTY
(写真提供=OSEN)FIFTY FIFTY

連合は昨年、韓国国内の主要団体である韓国芸能マネジメント協会、韓国制作者協会などとともに、K-POP界における継続的なタンパリング問題を解決するため、芸能事務所の標準専属契約書の改正を6年ぶりに実現することに努めた。

特に、FIFTY FIFTY騒動によってK-POP界で要求されたタンパリング規制に対し、文体部は専属契約終了後に新たな所属事務所に移籍する場合、前所属事務所で制作した音源などと同一・類似したコンテンツの再制作及び販売禁止期間を1年から3年に延長し、期待収益を下げる方向で条項を設けた。

FIFTY FIFTYのタンパリング騒動からNewJeansの一方的な契約解除宣言まで、連合が公に声を高める理由は、大衆文化芸能事業従事者の内部でも、生産者の重要性だけでなく、自主的な秩序成立に対する重要性が高まっている傾向にあるからだ。

特に、FIFTY FIFTYやNewJeansのようなデビュー1~2年以内の新人グループが瞬く間にトップに躍り出たことで、新人アーティストと芸能事務所の力関係が以前とは変わったと業界関係者は口をそろえる。

とある芸能界関係者は、「K-POP産業の規模が大きくなり、資本の大きさがアイドル制作における優位性を占めることになった。大型芸能事務所の集中化現象が大きくなると、中小事務所の声を出す窓口がさらに必要になった」と話した。

また別の関係者は、「アーティストと芸能事務所の関係も以前と同じではない。アーティストの場合はファンダムと世論に及ぼす影響が相当なため、彼らの利害関係に事務所が振り回されることも頻繁にある。したがって、産業がさらに大きく成長するためには、産業従事者の権益伸張と、認識改善のために力を合わせようとする努力が必要だ」と強調した。

◇NewJeans プロフィール

2022年7月22日にミュージックビデオを公開しながら電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートインした。

NewJeansの“ADOR脱出”はすべてミン氏の主導?スクープ報道の内容

【解説】NewJeansが「前例のない契約解除」に踏み切った理由

【写真】NewJeans、記者会見でADORと決別宣言

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