チ・ソヨン(28、チェルシーFCウィメン)は、明らかにレベルが違った。
女子サッカー韓国代表の“エース”チ・ソヨンは2月9日、韓国・済州(チェジュ)ワールドカップ競技場で開かれたベトナムとの東京五輪・女子サッカーアジア最終予選グループステージ第2戦に先発出場し、後半38分にチーム3点目のゴールを決めた。
韓国の3-0の完勝を導いたチ・ソヨンは、グループステージ第1戦(ミャンマー)の2ゴールに続く2試合連続ゴールで予選全勝に貢献した。
チ・ソヨンは今冬、女子サッカー韓国代表を率いるコリン・ベル監督に初めて会った。ベル監督のデビュー戦となった東アジアE-1選手権には参加していないため、今回のオリンピック予選が最初の大会となった。
そもそもチ・ソヨンは、韓国女子サッカーのアイコンのような存在だ。Aマッチ123試合に出場し、58ゴールを決めているチ・ソヨンは、韓国女子サッカーを支える柱ともいえる。今回の予選でも縦横無尽に活躍し、ベル監督に強烈な印象を残した。
チ・ソヨンはこの試合、2列目と3列目を行き来して韓国の攻撃を導いた。レベルが違うボールタッチと正確なパス、創造的なプレーで攻撃に活気を吹き込んだ。
チ・ソヨンは、先にチャン・スルギ、チュ・ヒョジュがゴールを決めて2-0とリードしていた後半38分、右足シュートで試合を決定づける得点に成功した。イングランドでプレーする選手らしく、一段階高いクラスを見せつけた。
ベル監督もチ・ソヨンの活躍に満足感を表わした。
ベル監督は、「チ・ソヨンはピッチの内外でワールドクラスの選手だ。選手としても人間としても賢い。私たちがやろうとしているサッカーを実現する選手だ。周知の通り女子サッカーの人気選手だが、とても謙虚で、チーム内の若手選手たちの世話もしている。そんな選手を指導できるということを光栄に思っている」と絶賛した。
さらに「まだ相手は決まっていないが、チームを強くする選手であることは明らか」と、オリンピック出場のためにチ・ソヨンが重要な役割をすると強調した。
チ・ソヨンが合流したことでアップグレードされた韓国は、東京五輪の出場権獲得を目前にしている。
グループAの1位となった韓国は、3月初めに行われるプレーオフでグループBの2位チームと、ホーム&アウェー方式で対戦する。そこで勝利すれば、韓国女子サッカー史上初のオリンピック出場権を獲得することになる。
オーストラリアで行われているグループBは、オーストラリアと中国が1、2位を争っている。オーストラリアはFIFAランキング7位の強豪だ。同20位の韓国にとって、かなり手強い相手といえる。
一方、中国は十分に可能性があるチームだ。去る12月のE-1選手権で対戦したときも、結果はスコアレスドローだったが、試合内容は韓国が優勢だった。さらに今回はチ・ソヨンが加わるだけに、当時よりもさらに力強い試合をする可能性が十分だ。
韓国史上初のオリンピック出場を狙う女子サッカー韓国代表にとって、チ・ソヨンは絶対に外せない頼れるエースだ。
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