韓国サッカーでJリーグからKリーグへの“出戻り”相次ぐ…一体なぜなのか

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ウォン・ドゥジェ(22・蔚山現代FC)、ユ・インス(25・城南FC)、ジョ・ジヌ(20・大邱FC)。

【インタビュー】元アビスパ福岡ウォン・ドゥジェがA代表へ意欲「選手ならば当然…」

彼らは、2020年シーズンから初めてKリーグの舞台にデビューする選手たちだ。そんな3選手にはとある共通点がある。

それは、3人とも高校卒業後、大学在学中に日本のJリーグに進出した経歴を持つ選手であるということだ。彼らはJリーグで2~4年プレーした後、2020年シーズンを前に自国へと戻り、Kリーグのクラブに移籍した。

ウォン・ドゥジェは漢陽大を休学し、2017年6月にJ2のアビスパ福岡に加入した。2019年12月までの2年半でリーグ戦68試合に出場し、2ゴールを記録した。

ウォン・ドゥジェ

アビスパ福岡では中盤を主戦場していたが、2019年シーズンにはセンターバックで多く起用されていた。退団時にはクラブ公式ホームページを通じて「プロの初チームがアビスパで幸せでした」とクラブへの感謝も述べている。

また、つい最近行われたU-23アジア選手権でU-23韓国代表の中盤を支え、史上初の優勝に貢献した。ウォン・ドゥジェは同大会のMVPにも選ばれ、今後の活躍に俄然注目が集まっている。

ユ・インスは2016年にFC東京に加入。初年度はセカンドチームであるJ3所属のFC東京U-23で26試合に出場、11得点をマークした。

翌シーズンもU-23で主にプレーすると、2018年シーズンにはアビスパ福岡に期限付き移籍で加入。前述のウォン・ドゥジェとともにプレーし、31試合1得点を記録した。2019年シーズン終了後にFC東京との契約が満了となり、城南FCへ完全移籍することになった。

ジョ・ジヌは2018年に仁川南高校から松本山雅FCに“飛び級”で加入した。2019年シーズンまでの2シーズン在籍するも公式戦出場はなく、韓国へ戻ることを決めた。

若手の芽を摘む事態になったKリーグの“5年縛り”

Kリーグでの活躍に注目が集まる3選手だが、彼らのような“出戻り組”は常にいたわけではない。むしろ、わずか数年前まで、海外でプロデビューした韓国人選手のKリーグ加入は、決して容易なものではなかった。

(写真=城南FC公式ホームページ)ユ・インス

Kリーグは去る2012年9月、理事会を通じて「大学等のアマチュア選手がプロ新人ドラフト申請書を提出せずに海外のプロチームに入団した場合、Kリーグでの選手登録を5年間禁止する」という規定を設けた。

Jリーグをはじめとする海外リーグに、自国の優秀な有望株が流出するのを防止するためだ。特に、Jリーグが2000年代後半から韓国の有望株を多数迎い入れはじめたことで、一時はJリーグで韓国人選手が約40人もプレーしたときもあった。

こうして、韓国サッカーの未来を案じて設けられた“5年縛り”。

だが一方で、期待のルーキーとして注目された若手選手が、たった一度の選択によって選手生活を早期に終えてしまう事態も発生した。Kリーグの代わりに海外リーグへと果敢に挑戦するも、慣れない異国で適応に失敗し、チーム内競争にも敗れてサッカー界を去る韓国人選手が次々と現れたのだ。

この事態に、Kリーグだけのローカルルールである“5年縛り”に対して批判的な声も上がった。

今後は“出戻り”選手が増える?

これを受けて、Kリーグは2014年末に“5年縛り”を事実上廃止。だが同時に補完する策も設けた。

2015年4月以降、海外に一度進出した選手の5年以内のKリーグ加入に制約はなくなった。しかし、Kリーグ加入の際は契約金をもらえず、年俸も最低水準の2400~3600万ウォン(日本円=約240~360万円)を受け入れなければならない。

優先指名選手の場合、海外進出後にKリーグに戻る際は指名されたクラブにしか入団できない。

(画像=大邱FC公式ホームページ)ジョ・ジヌ

海外リーグでの経験がある若手のKリーグ加入は、あらゆるストーリーを生み出す可能性を持つ。彼らにとってもKリーグが新たな飛躍の土台となるだろう。

とあるサッカー関係者は、「海外に進出後、Uターンする若手の数は継続して増えていくだろう。クラブとしても戦力強化につながり、出場機会に恵まれなかった選手にとっても良いチャンスになる」と述べた。

U-23選手権優勝など、若手の活躍が目覚ましい韓国サッカー界。今後も海外からの“出戻り”選手は出てくるのだろうか。

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