韓国を代表する2人の監督が、パリ五輪を目指す道中で激突する。
ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表は4月26日(日本時間)、カタール・ドーハのアブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアムで行われるU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選)準々決勝でインドネシアと対戦する。
インドネシアを率いるのは、2018年ロシアW杯で韓国代表指揮官を務めたシン・テヨン監督。ファン・ソンホン監督とプライドをかけた対決を繰り広げることになった。
今大会はパリ五輪のアジア最終予選を兼ねており、上位3カ国は本大会にストレートイン。4位はアフリカのギニアとの大陸間プレーオフに進む。
ひとまず、ベスト4に入れば五輪出場を夢見ることができる。一方、準々決勝で脱落するチームにはこれ以上チャンスが与えられない。ファン・ソンホン監督とシン・テヨン監督のうち、どちらか一人だけが笑うことができる。
韓国はグループBで3戦全勝を記録し、首位で準々決勝進出を果たした。そのおかげで、開催国かつグループA首位のカタールを回避することができた。ホームアドバンテージがあまりにも強いため、相対的に戦力の落ちるインドネシアと対戦できたことが幸いだ。
東南アジアでも中下位圏の戦力だったインドネシアは、2020年のシン・テヨン監督就任以降、着実に成長を続けている。
シン・テヨン監督はKリーグで豊富な経験を積み上げ、韓国の世代別代表からA代表まで指揮を執った指導者だ。
彼の指導力はインドネシアで好評を得ており、6月の契約終了後の再契約まで取り沙汰されている。長期政権の雰囲気が形成されたわけだ。
客観的な戦力で韓国がリードしているのは確かだが、油断は禁物だ。
今大会でも、インドネシアはグループステージでオーストラリア、ヨルダンを撃破し、A組2位(2勝1敗)で準々決勝進出を果たした。初戦のカタール戦でも判定の運がついていれば、より良い結果を出すことができた。それだけ安定した戦力を備えている。
インドネシアが急成長を遂げている原因の一つは帰化選手の加勢だ。
オランダ生まれのFWラファエル・ストライク(21、デン・ハーグ)、MFイヴァル・ジェナー(20、ユトレヒト)、DFネイサン・ジョー・アオン(22、ヘーレンフェーン)など欧州で活躍する選手が主軸となり、アジアで競争力を確保した。
技術やスピードが良いのはもちろん、身体条件も過去のように弱くないため、簡単な相手と見ることはできない。
インドネシアは五輪に出場したことがない。難しいミッションではあるが、韓国を超えれば史上初の五輪出場に一歩近づくことができる。シン監督が欲張らない理由はない。
ベスト4に入ることさえできれば、インドネシアサッカーの歴史において新たな快挙となる。
とはいえ、世界初となる10大会連続五輪出場を狙う韓国も、チャンスを逃すわけにはいかない。
流れは良い。ファン・ソンホン監督はグループ最終節の日本戦で大胆なターンオーバーを敷き、そのうえで勝利する成果を上げた。体力配分はもちろん、選手間の内部競争、モチベーションも強くなった。
加えて、3バックを用いて良い競技力を披露したため、多様なフォーメーションと組み合わせでインドネシア戦を準備できるようになった。シン・テヨン監督の立場では、準備が難しい試合になる見通しだ。
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