浦和や横浜FMと激闘繰り広げた韓国強豪が史上最悪の不振 開幕6戦未勝利の最下位、監督辞任効果なし

2024年04月08日 サッカー #Kリーグ

監督が辞任しても効果はなかった。かつてJクラブ勢と激闘を繰り広げた韓国Kリーグ屈指の強豪が、またしてもリーグ戦初勝利に失敗した。

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全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースは4月8日、本拠地・全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第6節の江原(カンウォン)FC戦で2-3と敗れた。

2024年シーズン開幕から6試合未勝利(3分3敗)の全北は、勝ち点3で12チーム中単独最下位。江原に勝てば最下位を脱出できたが、今回もその機会を逃した。

一方、ユン・ジョンファン監督率いる江原は2連勝に成功し、2勝3分1敗の勝ち点9で5位に浮上した。

全北は6日、ルーマニア人指揮官のダン・ペトレスク監督の辞任を発表した。

ダン・ペトレスク
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ダン・ペトレスク監督

昨年6月、成績不振で辞任したキム・サンシク前監督の後任として指揮を執ったペトレスク監督は、全北ならではの攻撃的サッカー「タッコン(タッチゴ・コンギョク=ひたすら攻撃)」の適任者と呼ばれたはずだった。

何より同監督は、かつて京都サンガF.Cやマンチェスター・ユナイテッドで活躍した韓国代表レジェンドのパク・チソン・テクニカルディレクターが選任作業を主導して連れてきた人物だ。

ところが、ペトレスク監督は自身の“色”をまったく見せられないまま、就任から1年経たずしてその座を追われた。

ペトレスク監督は、Kリーグに昇降格制度が導入された2013年シーズン以降、Kリーグ1においてシーズン開幕から史上最短記録となる5試合で辞任するという不名誉な記録も打ち立てた。

2024年シーズンのKリーグ1・2部全25チームのうち、現在まで1勝もできていないチームは全北が唯一であるほど、深刻な不振は続いている。

Kリーグ1首位の浦項(ポハン)スティーラーズは4勝1分1敗で勝ち点13。すでに両チームの格差は「10ポイント」だ。

リーグ戦最多9度、カップ戦最多5度、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2度の優勝を誇り、浦和レッズや横浜F・マリノスなどJリーグ勢とも多く対戦してきた“韓国の強豪”が、早くもシーズン序盤から危機に瀕している。

サポーターの悲痛な叫び「しっかりしろ、全北!」

ペトレスク監督辞任により江原戦で暫定指揮を執ったのは、2009年に大宮アルディージャ在籍経験もあるパク・ウォンジェ・コーチ。同氏は試合前、やや意気消沈した様子で取材対応し、ホームでの必勝を誓ったが、最後まで笑うことはできなかった。

パク・ウォンジェ
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)パク・ウォンジェ・コーチ

全北のファン・サポーターはチームの危機的状況を反映するかのように、「年俸は1位、順位は12位」「全北という慢心」などと書かれた横断幕を掲げ、最下位に沈むチームを批判していた。

パク・コーチは先発ラインナップに変更を加え、単純なロングボール一辺倒の戦術から左右への転換と中盤でボールを繋ぐビルドアップサッカーを選手に課した。

ただ、“変化”だけで勝利を手にするには力不足だった。前半31分にはFWイ・ドンジュン(27)がハムストリング負傷で交代を余儀なくされる“悪材料”も重なった。

イ・ドンジュン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)イ・ドンジュン

そして、今季の不振を象徴する“不安定な守備”にチームは再び足を引っ張られた。前半39分にPKから江原の先制点を許したのだ。

当時は相手FWヤゴ(24)のシュートをGKチョン・ミンギ(28)が一度で止められなかった過程が痛恨だった。結局、チョン・ミンギのファウルでPKを与えてしまい、失点に繋がった。

失点直後、全北のファン・サポーターは「しっかりしろ、全北!」と叫び、選手に奮闘と覚醒を要求していた。

すると、全北は前半アディショナルタイムにDFキム・テファン(34)が自ら得たPKを成功させ、辛うじて同点に追いついた。

しかし、後半24分と28分の連続失点ですぐに勝ち越しを許した。いずれも守備陣の集中が途切れる弱点を突かれての失点だった。

試合終了直前にはMFムン・ソンミン(31)が1点を返したが、すでに勝敗は決していた。江原ファン・サポーターは勝利を確信すると「勝った!」と叫び、「落ちる全北」という横断幕を掲げるなどし、全北の不振ぶりを指摘していた。

キム・テファン
(写真提供=韓国プロサッカー連盟)キム・テファン

試合後、パク・コーチは「士気が落ちており、本来自信があるはずのプレーを躊躇してしまう部分がある。そこでテンポが少し落ちてしまう。心理的に選手たちが揺れている。上手く話し合い、(次の試合を)準備したい」と伝えた。

また、キム・テファンは「自分自身、責任を感じており、最大限チームを助けようと思っている。反省もたくさんしている。仲間を上手く励まし合い、チームが一つになることが先だ」と強調した。

なお、全北は次戦、来る13日にホームの全州ワールドカップ競技場で行われる第7節で光州(クァンジュ)と対戦する予定だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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