来年に行われるアジアカップを目前に控え、韓国代表FWチョ・ギュソン(25、ミッティラン)の負担が増している。
チョ・ギュソンは、今年2月から発足されたユルゲン・クリンスマン監督体制で最も多くの試合を消化したストライカーだ。
攻撃陣の競争構図は、元ガンバ大阪のFWファン・ウィジョ(31、ノリッジ・シティ)、チョ・ギュソン、FWオ・ヒョンギュ(22、セルティック)の三つ巴だった。
そのなかで、チョ・ギュソンはクリンスマン監督就任以降の国際Aマッチ9試合すべてで出場している。2試合を除けばすべて先発だ。3月のウルグアイ戦、6月のペルー戦は後半から途中出場している。
来年1月からカタールで開催されるアジアカップでも、その立場に変化はない見通しだ。
むしろ、チョ・ギュソンには責任が増している。
というのも、チョ・ギュソンらとポジション争いを繰り広げていたファン・ウィジョが、女性との性行為の映像を相手の同意なく違法撮影した疑いで警察の捜査を受けている関係で、代表資格を一時的にはく奪されているためだ。
韓国サッカー協会(KFA)は、最終的な警察の捜査結果が出るまではファン・ウィジョを韓国代表に選出しないことを正式に発表している。
チョ・ギュソンに次いで多く出場機会を得ていたファン・ウィジョは、現体制のストライカーでは最多となる3ゴールを決めた。出場時間と対比した得点率ではトップだったが、スキャンダルによってチームを離れることになった。
もっとも、クリンスマン監督がファン・ウィジョの代役として新戦力を招集する確率はほぼ“ゼロ”に近い。
KFAは今月18日、アジアカップに向けて年内に実施する国内キャンプの招集メンバー16人を発表したが、FWで選ばれたのはチョ・ギュソンだけだった。この時点でファン・ウィジョの空白を埋める選手を選ばなかっただけに、最終エントリーにも新戦力はいない公算が大きい。
ストライカーの重要性は、いくら強調しても無駄ではないと言って良いほどに大きい。
サッカーでは例えパフォーマンスで相手を圧倒したとしても、ゴールが決まらなければそれらはすべて無意味だ。
韓国代表にはMFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)をはじめ、MFイ・ジェソン(31、マインツ)、MFファン・インボム(27、ツルヴェナ・ズヴェズダ)など中盤の人材は多くそろっているが、結局は得点を生み出さなければ結果は得られない。決定力の重要性が台頭している理由もそこにある。
アジアカップのグループステージは2週間で3試合を戦う。決勝トーナメントに進出すれば、さらに最大4試合をこなすことになる。
チョ・ギュソンは大会期間、常に良いコンディションを維持しなければならない課題を抱えることになった。
幸いなのは、チョ・ギュソンが所属するミッティランで絶頂のコンディションを維持している点だ。
チョ・ギュソンはリーグ戦16試合8ゴールとチーム最多を記録しており、リーグ全体の得点ランキングでも3位に位置している。
昨夏に韓国Kリーグ1の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースを離れ、ミッティランの一員となったチョ・ギュソンは、リーグ公式が発表した2023-2024シーズンの前半戦ベストイレブンにも選出されている。
もちろん、チョ・ギュソンだけが最前線を消化できるわけではない。
クリンスマン監督体制で多くの機会を得られているわけではないが、オ・ヒョンギュも貴重なストライカーの人材の一人だ。
オ・ヒョンギュがクリンスマン監督体制で先発出場したのは6月のペルー戦のみ。3月から9月までは途中出場でプレーする機会も多かったが、10月の親善試合2連戦と11月の中国戦はいずれもベンチで出場なしに終わった。
代表で確実に定着した選手ではないが、所属するセルティックで着実に出場機会を得ているだけに、チョ・ギュソンの負担を軽減できる存在ではある。
また、FWソン・フンミン(31、トッテナム)も最前線を消化できる一人だ。
なお、韓国代表は12月26日から31日にかけて国内キャンプを実施。この間、28日にアジアカップの最終エントリー26人を発表する。
年明け以降は、1月2日よりキャンプ地のUAE・アブダビに移動して最終調整を実施。ほかの海外組はアブダビ・キャンプから代表に合流する。6日にアブダビで強化試合を実施し、10日にカタール入りする予定だ。
アジアカップ本大会では、グループEの韓国は15日にバーレーンとの初戦を戦った後、20日にヨルダン、25日にマレーシアと対戦する。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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