今季ACLで浦和レッズと対戦した浦項(ポハン)スティーラーズの指揮官が交代となる見通しだ。
12月11日、移籍市場に詳しい関係者によると、浦項を率いるキム・ギドン監督とFCソウルの交渉が最終段階に入り、契約締結が迫っている。FCソウルは今季Kリーグ1(1部)で12チーム中7位、浦項は2位だった。
このため、浦項はキム・ギドン監督の後任として韓国プロサッカー連盟の技術委員長を務めるパク・テハ氏を事実上確定した。
現役時代に浦項のレジェンドとして活躍したキム・ギドン監督は、アシスタントコーチを経て2019年4月より浦項の監督に就任し、変化に富んだ選手起用と柔軟な戦術で好成績を収めてきた。
キム・ギドン監督就任以降、浦項はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準優勝を収めた2021年シーズンのKリーグ1の9位を除けば、すべてのシーズンでリーグ戦上位圏内に入った。
そんな指揮官の手腕は“キム・ギドン・マジック”とも呼ばれた。
毎年のように主力が引き抜かれ、2022年シーズンには選手年俸総額が1部11チーム中10番目だったほど厳しいチーム事情のなか、キム・ギドン監督はユース出身をはじめとした若手を積極的に起用。既存のポジションにこだわらず、各選手を適材適所に配置させるなど、果敢な変化を通じて結果を残してきた。
そして、2023年シーズンにキャリアハイを記録した。浦項は低予算にもかかわらずKリーグ1で2位を達成。さらにはFAカップで10年ぶりの優勝を成し遂げた。加えて、ACLは5勝1分の無敗でグループを首位通過し、決勝トーナメント進出を確定した。
このような成果によって、自然とキム・ギドン監督の価値も急騰した。実際、多くの中国クラブもキム・ギドン監督に関心を示していた。
2022年12月にキム・ギドン監督と3年の契約延長を結んだばかりだった浦項だが、指揮官の去就にいち早く対処しなければならなかった。その選択の結果がパク・テハ氏だ。
パク・テハ氏もキム・ギドン監督同様、現役時代は浦項のレジェンドだった。兵役のため尚武(サンム)に入隊した期間を除き、1991年から2001年まで浦項一筋で選手生活を送ったワン・クラブ・マンだ。
引退後は指導者生活を始め、2005年から2007年までは浦項のコーチを務めた。以降、韓国代表コーチやFCソウルのアシスタントコーチを経て、2015年から2018年までは中国の延辺富徳の監督を務めた。当時、延辺富徳には今季の浦項キャプテンを務めたFWキム・スンデ(32)も在籍していた。
その後、中国女子B代表の監督を務め、2020年よりKリーグを主管する韓国プロサッカー連盟の技術委員長に就任した。
そんなパク・テハ氏が、浦項を通じて監督業を再開させることになった。同氏がKリーグの監督を務めるのは今回が初となる。
監督交代が確実とみられる浦項は、来年2月にACL決勝トーナメントの1回戦を控えている。
2023年シーズンはキム・ギドン監督体制で最高の1年を送っただけに、後任を務める新監督は重責を担うことになるはずだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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