Kリーグ準優勝蔚山現代とACL同組の上海申花…チーム率いる韓国人監督の決意とは

2019年12月22日 サッカー

12月19日、ソウルの合井洞(ハプチョンドン)で「上海申花チェ・ガンヒ監督メディア鼎談会」が行われた。

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2005年から全北現代モータースで指揮を執り、韓国代表監督を挟んで約13年間多くのトロフィーを手にしたチェ監督は、2018年冬に中国行きを決断。指導者人生の新たなスタートを切った。

メディア鼎談会でのチェ・ガンヒ監督

しかし、スタートから困難が待ち受けていた。

2018年12月から中国スーパーリーグの天津権健(現・天津天海)の監督に就任するも、クラブの親会社が倒産の危機を迎え、2019年2月からは大連一方の監督に就任した。

だが、大連一方では外国人選手との間に不和が生じたことで、またも監督の座を追われてしまったのだ。

「私は早く戻りたかった。監督業を多くできないと考えていた」と話すほどに苦難な時間を過ごしたチェ監督だが、上海申花で名誉挽回に成功した。

今年7月、当時降格圏で苦戦していた上海申花の新指揮官に就任したチェ監督は、自身の手腕を発揮し自力残留と中国FAカップ優勝をチームにもたらしたのだ。

(写真=上海申花公式HP)チェ・ガンヒ監督

「チームに合流した当時はFAカップ優勝なんて考えもできなかった。あまりにチームの雰囲気が悪かったので、降格を避けることが最優先と考えた」と就任当時を振り返ったチェ監督は、「リーグ数試合を残して降格を回避できたことで、FAカップに向けて気楽に準備できた。だからこそ優勝を果たせた」とカップ戦優勝の要因を語った。

上海申花の監督に就任以後、初めて獲得した選手はキム・シンウク(31)だ。実際、チェ監督は上海申花行きを決断する前から、キム・シンウク獲得を前提に移籍金や年俸を決めたほど、力を注いでいた。

チェ監督は「キム・シンウクは、私が大連一方にいたころから連れてきたかった。来ればたちまち活躍できるだろうと考えていた。クラブはガレス・ベイル(レアル・マドリード)級のスター獲得を図っていたが、会長が私の意見を許してくれた」と、キム・シンウク獲得の経緯を明かした。

(写真=上海申花公式Weibo)キム・シンウク

さらに、「最初はファンも韓国人FWはダメだといっていたが、ウェイトトレーニング場で個人トレーニングを行う姿を見てチームメイトも驚いただろう。クラブの上層部も“あれほど自己管理が徹底してできているのだから、上手くいかないわけがない”と話してくれた。チームの雰囲気がキム・シンウクによって大きく変わった」と、キム・シンウク獲得によるチームの変化も語った。

中国では、基本的に外国人選手の獲得はクラブの意思によって決定される。だが、上海申花ではチェ監督を信頼し、多くの権限を彼に委任している。

しかしチェ監督は「キム・シンウクを連れてくることも非常に難しかった。欧州の大物スターが来るのが当たり前なのだから、簡単ではないのも事実だろう」と述べた。

それでも、自身の古巣で活躍を続ける愛弟子イ・ヨン(33・全北現代)に対する思いは包み隠さず話した。
 

イ・ヨン(全北現代モータース)

「個人的には連れていきたいが、方法がない。どんな方法を使ってでも獲得したいと思うほどに、キム・シンウクを生かせるサイドの選手が必要だ。中国の選手のレベルをどれだけ引き上げられるかで、リーグやACLでできることも変わってくる」とチェ監督は語った。

中国で2シーズン目を迎えるチェ監督は高みを目指している。その目標に、“中国スーパーリーグ5位以内”と“ACLグループステージ突破”を掲げている。

チェ監督は「FAカップ優勝を果たせたものの、心配のほうが大きい。リーグとACLを並行することの難しさはわかっている。中国リーグはアウェーに行くのだけで3泊4日もかかり、気候も地方によって異なる。リーグもACLのように準備しなければならない。どんなスケジュールであれ、我々は勝ち抜かなければならない」と意気込みを語った。

そして、「全北現代さえ避けられればと考え、結果的に全北現代は避けられた。しかし、蔚山現代も手強いだろう。我々はチャレンジャーとして戦わなければならない。選手の能力を引き上げるべく、シーズンを早く進める必要がある」と、チェ監督は覚悟を述べた。

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