浦和レッズとのリターンマッチを迎える浦項(ポハン)スティーラーズは、一体どのような選択をすることになるだろうか。
浦項は去る11月4日のFAカップ決勝で全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに4-2の逆転勝利を収め、2013年以来10年ぶり5度目の優勝を果たした。
キム・ギドン監督体制で悲願の初タイトル獲得成功だ。ただ、優勝の余韻に浸る間もなく、依然としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)とリーグ戦が待ち受ける。
浦項は本日(11月8日)19時より、ホームの浦項スティールヤードで浦和とのACLグループJ第4節を戦う。
浦項はグループステージで3連勝中だ。直近の第3節も浦和戦だった。去る10月24日、アウェイの埼玉スタジアム2002で2-0の完勝を収めた。
第3節終了時点で浦項は勝ち点9を確保し、2位の浦和(勝ち点4)と5ポイント差の首位につけている。決勝トーナメントに進むうえで有利な位置を確保した。
ACL東地区グループステージでは各組1位5チームと、各組2位のうち成績上位の3チームが決勝トーナメントに進むことができる。
浦項は折り返しを迎えたACLグループステージで、ホームで浦和、ハノイFC(ベトナム)と対戦し、最終節で武漢三鎮(中国)とのアウェイゲームを戦う。
ホームで2試合を戦える点はメリットだ。仮に本日、浦項が浦和に勝利すれば、グループステージ突破は事実上確定する。
ただ、そんな浦項にも懸念点がある。
浦項はこの期間、FAカップを終えるまで厳しい過密日程をこなしてきた。
去る10月28日の全北とのKリーグ1(1部)第35節を皮切りに、11月1日の済州(チェジュ)ユナイテッドとのFAカップ準決勝では延長120分を経てPK戦までもつれる激闘を繰り広げた。そして、準決勝から中2日で全北との決勝を戦った。
前回の浦和戦で負傷交代したチョン・ジェヒをはじめ、元ジュビロ磐田、サガン鳥栖、V・ファーレン長崎のFWペク・ソンドン(32)、ブラジル人DFヴァンデルソン(34)、ブラジル人MFオーベルダン(28)など負傷者も多く、主力の体力消耗は非常に大きい。
だからこそ、キム・ギドン監督は頭を悩ませている。そのため、大幅なターンオーバーまではいかないまでも、体力消耗が大きい一部の主力には休息が与えられるものとみられる。
何より、ホームでの浦和戦を終えた後、来る12日のKリーグ1第36節では蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)との「東海岸ダービー」を控えている。
蔚山はすでにリーグ優勝を確定した状況だが、2023年シーズン最後のライバル対決であるだけに、浦項としても力を抜くことはできない。Kリーグ1王者とFAカップ王者が激突するという意味でも注目の一戦だ。
そして、今季の浦項は蔚山に一度も勝利していない。これまで3度対戦して2分1敗だ。今度の4戦目も勝てなければ、浦項の立場としてはプライドが傷つくしかない。
キム・ギドン監督は7日に行われた浦和戦の前日記者会見で、「浦和が技術的に我々よりも優れたチームだ。選手たちが精神力で勝ち抜いたと思う。両チームともカップ戦をはじめ試合が多く、体力的に厳しいなか、リターンマッチが行われる。我々がホームであるため、浦和よりは多少体力的に良いのではないかと思う。ファンに良い試合をお見せできるよう、最善を尽くす」と伝えた。
また、FAカップ優勝の影響について問われると、「優勝したことで精神的に余裕ができたことは事実だ。そのような点で、選手たちが気を楽にして試合をすることができれば、もっと上手くいくかもしれない。しかし、逆に緊張感が落ちてしまい、良くないかもしれない。どのように選手たちにモチベーションを付与できるかについて、選手たちとしっかり話し合って解決してみたい」と強調した。
記者会見に同席したFWホン・ユンサン(21)は、「FAカップで優勝できてとても嬉しいし、このような状態で試合をできることはとても助けになると思う。FAカップ優勝を達成したが、ACLも十分に狙えると思う」と、浦和戦に臨む意気込みを語っていた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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