リュ・ヒョンジン、韓国人メジャーリーガー歴代年俸額更新なるか?敏腕代理人の手腕に注目

リュ・ヒョンジン(32)の時間が始まろうとしている。より厳密にいえば、スコット・ボラス氏の時間だ。

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歴代韓国人メジャーリーガーのなかでも、平均年俸だけでいえば最高額を更新する可能性が高まっている。早ければ今日明日中にも契約が交わされる可能性も否めない。

ボラス氏は12月11日(日本時間)、サンディエゴで開かれたウィンターミーティングの場で記者会見を行い、「リュ・ヒョンジンには複数のチームから提案が来ている。多くの関心がある」と“コリアン・モンスター”の去就について語った。

(写真=ピッツバーグ・ポストガジェット)スコット・ボラス氏

「リュ・ヒョンジンほどのレベルとなれば、我々もそう簡単に契約は結ばない。各球団からの連絡を待っている。彼はサイ・ヤング賞に十分値する水準のパフォーマンスを披露している」と、ボラス氏はリュ・ヒョンジンの契約に自信を見せた。

その自信には、1億ドル以上の“ジャックポット”に期待できるというニュアンスも込められている。「ソウルからの距離を計算しようとすれば、どの球団もすべて遠い。地理的条件が(契約の)考慮対象とはならない」と、ロサンゼルスを含むアメリカ西部地域でなくても、リュ・ヒョンジンを必要とするチームならば交渉するとボラス氏は話す。

獲得競争が激化すれば、リュ・ヒョンジンの契約金は急騰することは間違いない。

野球における投手の役割の大きさを考慮しても、すでに実力が保証された投手に興味が多く集まるのは当然だ。リュ・ヒョンジンの契約金は期待値を大きく上回ると見ていい。

リュ・ヒョンジンは2013年シーズンから2019年シーズンまでの7年間をロサンゼルス・ドジャースでプレーした。2012年冬にポスティングシステムを通じてドジャースに入団し、通算126試合で740.1イニングを消化、54勝33敗、防御率2.98とトップクラスの投手であることを証明した。

特に2015年に肩の手術を受けた経歴がありながらも、今シーズンはアジア人として初めてメジャー全体の防御率トップ(2.32)となり、サイ・ヤング賞では投票数2位に入った。

リュ・ヒョンジン

怪我への懸念もあるが、キム・ヨンイルコーチを専属トレーナーとして雇用し、安定したコンディションでシーズンを過ごした。キムコーチは今後もリュ・ヒョンジンとともに過ごすと見られており、コンディション問題の不安も払しょくされた。

安定的な試合コントロールと豊富な短期決戦の経験を兼ね備えた先発投手は、優勝を渇望するチームにとって魅力的でしかない。

ボラス氏は「FAになれば、自分の価値を認めてくれるチームすべてに関心が及ぶことは当然だ。また、一緒に過ごす家族をどうするかも考慮し、決定を下すべきだ」と強調した。リュ・ヒョンジンとその家族が生活できる環境も、契約条件に含まれているという意味だ。

ドジャースのアンドリュー・フリードマン社長は、ウィンターミーティングで「リュ・ヒョンジンとの再契約に関心がある」と“公開ラブコール”を送った。

(画像=MLB.comキャプチャー)アンドリュー・フリードマン社長

ミネソタ・ツインズやロサンゼルス・エンゼルス、シカゴ・ホワイトソックスなどアメリカン・リーグのチームも関心を表明しており、事実上の“マネーゲーム”が始まっている。

FA投手の優先順位では、最注目株のゲリット・コールが先陣を切っている。コールは米メディアの12月10日の報道によると、メジャー投手史上最大額となる9年3億2400万ドルでニューヨーク・ヤンキースと契約を交わしたとしている。

このことからも、ボラス氏の意図で動けば契約金の心配はいらないことが証明された。スティーブン・ストラスバーグ(7年2億4500万ドルでワシントン・ナショナルズと再契約)に続いてコールも契約を結んだ。次はリュ・ヒョンジンの番だ。

バロメーターとしても、フィラデルフィア・フィリーズと5年1億1800万ドルの契約を結んだザック・ウィーラーがおり、直接的な比較対象となる。契約期間4年を基準とし、総額1億ドルを上回るジャックポットに期待が集まる。

リュ・ヒョンジンが1億ドル以上の大型契約を結べば、年平均2500万ドルとなり、平均年俸が現在1857万ドル水準のチュ・シンスを上回ることになる。チュ・シンスが今年と来年にもらう韓国人メジャーリーガー最多年俸の2100万ドルの記録も、更新されることが有力だ。

チュ・シンス

メジャーの舞台で堂々と実力を証明したのだから、契約金でも新たな歴史を築いてくれることへの期待感にも説得力が増す。

実際、ボラス氏はパク・チャンホに5年6500万ドル、チュ・シンスには7年1億3000万ドルをもたらした経験がある。パク・チャンホはテキサス移籍前、ドジャースで先発の一角を担った。チュ・シンスもアジア人メジャーリーガーでは初の3割・20本塁打・20盗塁を2回も記録した。

選手がキャリアの中で積み重ねてきた記録や実力を“契約金”というかたちで証明するボラス氏の能力は、他の代理人の追随を許さない。

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