「ミスする場面が出たら“アイゴー”って口に出ちゃいますって」
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大きな大会を控えた選手たちはよく、イメージトレーニング」をするという。ベストコンディションで披露したパフォーマンスを頭の中で絶えず再生するトレーニング法で、特にメンタルが重要な種目ではすでにほとんどの選手がイメージトレーニングをしている。
刹那のミスが度重なると転倒にもつながるフィギュアスケートでも、イメージトレーニングは一般的だ。主に自分が演じた演技の中で修行要素をすべて成功させた動画を繰り返し見ながら、重圧感を払拭するために自己暗示をするわけだ。
韓国フィギュア最高の有望株となったイ・ヘイン(14歳・漢江中学校)は正反対の路線を選んでいる。
2019年国際氷上競技連盟(ISU)ジュニアグランプリで2度の優勝を成し遂げた彼女は今、グランプリファイナル(12月5~8日・イタリア・トリノ)をわずか1週間余り残した時点だが、かえって自分がミスした映像を集中的に探してみているというのだ。
「昨年のジュニアグランプリ代表選抜戦、サハリンでの冬季ユースアジア大会、今年のユース五輪選抜戦など、見る映像が多すぎます。ミスする場面が出るたびに、思わずため息が出ます」と苦笑いしたイ・ヘインは、「演技中は一瞬なので、その瞬間はなぜミスをしたのか分からず、そのまま倒れてしまう。後でしっかり確認しなければ、(ミスの原因を)ずっと知らないまま通り過ぎてしまう。ミスをする場面を見れば、絶対に繰り返したくない気持ちにもなれるんです もっと粘り強くフィギュアに取り組まなければという気持ちになる」と真摯に語ることもためらわなかった。
フィギュア専門家たちがイ・ヘインを評価するとき、かならず挙げるのがその「強心臓」ぶりだ。それこそ彼女の強みだという人も多い。
彼女の強みは、グランプリファイナルまでの過程で収めた2度の優勝を通じてもよく表れている。
ショートプログラムでミスして3位でスタートした3次大会では、リードする選手たちが鮮やかなフリー演技を終えている姿を見た後、リンクに入って自分も完璧な演技を披露した。
ファイナル進出がかかった6次大会では全てのジャンプを安定的に駆使し、スピンでも最高レベルで計算された加算点をすべて獲得した。
「ファイナルに出場する他の選手たちの映像も探して見ている」というイ・ヘイン。
事実、イ・ヘインと競争する5人の選手たちはいずれもジュニア最高の選手たちだ。4回転ジャンプをする選手たちもおり、まだ高難度ジャンプをマスターしていないイ・ヘインとしては、ライバルたちの演技を見るだけでも引け目を感じる部分もあるかもしれない。
しかし、「私は実際に(シニアGP優勝者の)アレキサンドラ・トルソバとアンナ・シェルバコバがジャンプするのを目の前で見た。“うわーっ!!うまい!!”という 声が自然と出てきた」と認めるイ・ヘインは、「私がまだそれができないからといって、悔しくはない。 選手の中には、全体的に演技をする選手もいれば、最初から最後まで技術だけを考える選手がいる。 私の長所は一つひとつに集中してジャンプ、スピン、スケーティング、演技をひとつにまとめること。自分がうまくできることをしっかりやる。それだけを考えています」と自信を示した。
今季、ジュニアとシニアを合わせてグランプリファイナルに進出した韓国選手はイ・ヘインしかいない。ただ、スポットライトはかえってイ・ヘインをときめかせる要素になっている。
「国内で行う試合は、一緒に練習してきた選手たちと競争するのだから、どうしても意識してしまう。 ただ、今回は韓国選手が私だけなので、気持ちがより気楽ではないかと思う。
期待が負担になるかもしれないけど、期待されないということは私に関心がないということ。期待をたくさんしてくださったほうが良い。なんとか出場できたファイナルの舞台なの、本当に頑張りたい」
イ・ヘインは12月3日、イタリアのトリノ行き飛行機に乗って決戦の舞台を目指す。
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