学生時代のいじめ疑惑によって韓国から去り、現在は海外でプレーをする元女子バレー韓国代表セッターのイ・ダヨン(26)。彼女が、双子の姉イ・ジェヨン(26)は「いじめ疑惑と無関係だ」と釈明した。
かつて韓国Vリーグ女子部でともに活躍していたイ・ダヨンとイ・ジェヨンは、興国生命ピンクスパイダーズに所属した2020-2021シーズン途中、学生時代のいじめ加害疑惑が発覚した。
これによって興国生命から無期限出場停止処分を受け、韓国バレーボール協会からは代表資格をはく奪された。
こうしてVリーグから事実上の“追放”となった2人は、一緒にギリシャのPAOKテッサロニキへ移籍し、バレー選手としてのキャリアを続けようとした。
イ・ダヨンはPAOK以降、昨季はルーマニアのラピド・ブカレストでプレーし、今季からはフランスのボレロ・ル・カネに加入。欧州で着実に現役生活を続ける一方、イ・ジェヨンはPAOK時代の2021-2022シーズン途中に膝の負傷で韓国に帰国した後、現在までバレー選手としての活動を続けられていない。
そんななか、8月5日に仁川(インチョン)国際空港を通じてフランスへと出国したイ・ダヨンは、出国前に報道陣の取材に応じた。
イ・ダヨンは「これまで多くの話が交わされてきたなかで、誤って伝えられた部分について訂正するためにこの場に出てきた。特にイ・ジェヨンは私の過ちによって未だバレーボールができていない。イ・ジェヨンは関連のない部分も多く、その当時同じ場にいなかったにもかかわらず、私の過ちによって被害を受けることになった」と、自身の立場を伝えることになった理由を明らかにした。
そして、「皆さん、私と双子と言う理由でイ・ジェヨンを同じように見ないでほしい」とし、「私が幼い頃、中学2年生のときに発生した問題だ。ところが、双子だという理由で、私のせいでイ・ジェヨンまで一緒にバレーができなくなった。その部分を正したい」と伝えた。
また、「実際、中学2年生の頃の出来事が今まで続くことになった。友人たちと一緒に仲良くしていたが、ある友人と一度の喧嘩によってお互いに悪口を言い合い、感情が激しくなって発生した事件だ。その後、状況は終わったが、再び起きることになってしまった。そして、(イ・)ジェヨンがバレーをすることができなくなった」と説明。
「これからは私だけに矢印を向けてほしい。私の問題のせいでジェヨンまで問題になった。これからはジェヨンに被害が出てほしくない」と付け加えた。
双子の姉イ・ジェヨンのために口を開いたというイ・ダヨンは、「イ・ジェヨンは常にコンディション管理に励む選手だ。今も着実にコンディションを整えている」と、イ・ジェヨンがバレーボール界に復帰することを望んだ。
結局、重要なのは被害者との合意と許しだ。
しかし、イ・ダヨンは「そのときもそうだし、今も被害者たちと和解しようとする努力をたくさん続けている」とし、「何とか会って、心からの謝罪をして許しを請いたいが、むしろその友人たちが出会いを避けている。連絡さえ取れない状況だ。弁護士を通じて一人当たり1億ウォン(日本円=約1000万円)の金銭を要求しているだけだ。このため、法的な問題はまったく解決されていない」とし、依然として被害者たちと合意できていないことを明らかにした。
イ・ジェヨンは一度、昨年10月にペッパー貯蓄銀行AIペッパーズと接触し、Vリーグ復帰を試みたことがある。
しかし、当時も国内世論の大きな反対にぶつかり、最終的に加入が実現することはなかった。
今回もイ・ダヨンがイ・ジェヨンのために援護射撃に乗り出しているが、世論は依然として否定的だ。
イ・ジェヨンの復帰は、被害者の許しがない限り容易ではない見通しだ。
(記事提供=OSEN)
◇イ・ダヨン プロフィール
1996年10月15日生まれ。韓国・全羅北道出身。身長180cm。韓国のプロバレーボール選手で、元韓国代表。フランスのぼれる所属。双子の姉イ・ジェヨンもバレー選手。実父は陸上競技(ハンマー投げ)韓国元代表のイ・ジュヒョン、実母はソウルオリンピック代表セッターのキム・ギョンフィというサラブレッド家系。2014年のプロデビューから2021年1月まで韓国国内で活躍していたが、学生時代のいじめ発覚で物議を醸し、無期限出場停止と代表資格はく奪処分を受けた。その後、活躍の場を求め、2021-2022シーズンはギリシャのPAOKテッサロニキ、2022-2023シーズンはルーマニアのラピド・ブカレストでプレーした。
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