パリ・サンジェルマン(PSG)の世界的スーパースター、ブラジル代表FWネイマール(31)が韓国の新たな“国民好感”になった。
ネイマールは8月3日、釜山(プサン)アジアード主競技場で行われた全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとのスペシャルマッチ「Coupang Playシリーズ」第3戦で先発フル出場し、復帰戦を飾った。試合はPSGが3-0で勝利した。
今年2月に右足首を負傷、3月に手術を受けたネイマールは2022-2023シーズン後半を欠場。今夏のプレシーズンも回復に集中し、日本でのプレシーズンツアーでも3試合すべてで欠場した。
ネイマールを一目見ようと会場を訪れた多くの日本サッカーファンが、彼の名前を叫んで出場を祈願したが、最後まで願いは叶わなかった。
ただ、韓国では違った。
試合前日の記者会見で、PSGのルイス・エンリケ監督は「ネイマールは復帰するための最後の段階にある。とても良いコンディションだ。1週間以上チーム練習をこなしている。明日もプレーできる状態だ。ただ、プレーできるかどうかは明日になってようやくわかると思う」と話していた。そして、ネイマールは先発に名を連ねた。
ネイマールは世界的なスーパースターだ。インスタグラムのフォロワー数は2億1000万人にも達する。
現役選手ではアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(36、インテル・マイアミ)、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(38、アル・ナスル)などとともに絶大な人気を博しており、フランス代表FWキリアンエムバペ(24)の移籍が有力な現時点でPSGの看板選手であり、クラブの顔となっている。
そんなネイマールは最近、イ・ガンインのPSG加入によって韓国国内で再び話題になっている。
現在、イ・ガンインは韓国サッカーの新たなアイコンとして急浮上している。韓国代表の絶対的エースであるFWソン・フンミン(31、トッテナム)に匹敵するほど、熱い人気を博している。
Coupang PlayがPSGを韓国に招待した決定的な理由も、まさにイ・ガンインのためだ。
韓国の10~20代女性の間でアイドル級人気を得ているイ・ガンインの一挙手一投足は、人々の関心の対象になる。そして自然に、ネイマールも関心の中心に立つ。
ネイマールはプレシーズンツアー中、イ・ガンインをまるで弟のように可愛がった。
試合中のベンチや練習中に特に親しく過ごして話題になった。最近ではイ・ガンインがネイマールの尻を足で蹴る姿が捉えられ、話題になったりもした。
今回の全北戦前日練習でも、ネイマールはイ・ガンインの背後に近づき、腕を掴んで手を振り、観客に挨拶をさせた。スーパースターとして、ファンサービスをどのようにすべきか“教育”したわけだ。
それだけでなく、ネイマールはイタリア代表MFマルコ・ヴェッラッティ(30)とともに、イ・ガンインにパス練習を一緒にすることを提案した。
チームで計3グループに分かれてロンドを行った際、ネイマールとヴェッラッティがイ・ガンインに同じグループに入ろうと手招きしたのだ。ただ、むしろイ・ガンインは2人のスターの提案を断り、ほかのグループに合流する場面が演出されたりもした。
ネイマールがイ・ガンインのことをどれほど気にしているかがわかる場面だった。
試合当日も、ネイマールは自身のインスタグラムでイ・ガンインとの自撮り動画を掲載した。
昨年のカタールW杯ベスト16で韓国対ブラジルとして対戦後、ユニホームを交換した2人の縁は「ブロマンス(男性同士の絶妙な関係性)」に転換された。
そのように、ネイマールは韓国の「国民好感」として急浮上している。
今年2月以来、ほぼ6カ月ぶりに実戦を行ったネイマールはレベルの違いを見せつけた。無理にプレーしなかったとはいえ、華麗なプレーで観衆の嘆声を誘った。
終始余裕のあるプレーで攻撃をリードしていたネイマールは、前半40分に先制ゴールを決めた。
ペナルティエリア内左側で華麗な個人技を駆使し、守備陣を引き離した後に右足シュートを試みてネットを揺らしたのだ。シュートはDFにディフレクションしてゴールに転がり込んだ。DFが密集している狭い空間でも、次元の違う個人技を披露した。
ネイマールは半年ぶりの得点で華やかなセレモニーを披露し、釜山に集まった観客と喜びを分かち合った。
会場に駆け付けた観客も、拍手と歓声でネイマールの復帰ゴールを祝った。日本の観客が享受できなかった特権を、韓国のサッカーファンが享受したわけだ。
ネイマールは後半も1ゴール1アシストを追加し、チームを3-0の大勝に導いた。6カ月ぶりの復帰戦だが、2ゴール1アシストを記録する圧倒的なプレーを披露した。
何より、33度の猛暑のなかでもネイマールはフル出場した。スーパースターのワンマンショーが釜山で開かれたわけだ。
これからはイ・ガンインとネイマールが一緒にプレーする姿を見ることができる。ネイマールは一時、移籍説に巻き込まれたこともあったが、残留に糸口をつかんだ。
イ・ガンインとネイマールがともにPSGの攻撃をけん引する姿を期待したいところだ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.
前へ
次へ