ヴィッセル神戸のモンテネグロ代表FWステファン・ムゴシャ(31)が、1年ぶりに“韓国の古巣”に復帰することになった。
Kリーグ1(1部)の仁川(インチョン)ユナイテッドは7月10日、神戸からムゴシャが完全移籍加入することを発表した。契約期間は2025年シーズンまでで、背番号は9番を着用する。
1992年2月生まれのムゴシャは、母国モンテネグロやドイツ、モルドバでのプレーを経て2018年に仁川に加入。2022年夏までの4シーズン半でリーグ戦通算129試合に出場し、68ゴール10アシストを記録するなど、Kリーグを代表するストライカーとして位置づけられた。
また、2019年から2021年までの3シーズン連続でKリーグの年間ベストイレブン候補にも選出。モンテネグロの年間最優秀選手賞にも2018年には2位、2019年には1位に選ばれた。
そして2022年6月、ムゴシャはバイアウト条項が発動されて神戸に移籍した。
しかし、新たな挑戦は容易ではなかった。戦力外に分類される厳しい期間が続き、困難な時間を過ごした。
そんななか、ムゴシャは2023年シーズン夏の移籍市場を通じて自ら神戸側との契約解除を申し入れたが、これも順調には進まなかった。神戸側は、バイアウト条項を発動してまで獲得したムゴシャを簡単に手放そうとはしなかった。
そこで、兼ねてからムゴシャの復帰を望んでいた仁川が“妙案”を出した。今月2日、神戸にとある公文を送ったのだ。
それは、FA(自由契約)予定選手のムゴシャと2024年シーズンの契約に関する交渉を始めるという意向書だった。
ここで状況が反転した。仮にムゴシャが仁川と2024年シーズンに関する契約で合意した場合、神戸は今夏の移籍市場でムゴシャを放出することができない。そのため、移籍金確保のためにも神戸はムゴシャと合意し、契約解除を提案した。
ムゴシャも神戸で残った年俸を自主的に全額放棄するなど、“古巣”仁川への復帰に積極的な態度を見せた。今冬から続いていた国内外の複数クラブの関心もすべて断り、仁川に復帰することだけに集中した。
これにより、ムゴシャは仁川に1年で復帰することになった。
ムゴシャの合流により、仁川は攻撃面の強化をさらに期待できる。神戸在籍期間にリーグ戦6試合、リーグカップ5試合、AFCチャンピオンズリーグ1試合のみの出場にとどまったため、コンディションを再び引き上げる必要はあるが、本人は復帰した古巣で再び活躍し、チームの助けになりたいという確固たる決意を抱いている。
ムゴシャは仁川復帰に際し、「慣れた場所と人たち、そしてコーチ陣、チームメイトとともに、全員で一つになって後半戦で巻き返しを見せたい。私の復帰を待ってくれた最高の仁川ファンと市民に感謝している。チョ・ソンファン監督のモットーのように、人々に楽しさをもたらすサッカーがしたい。依然として仁川が強いということを証明する」と伝えた。
なお、仁川のムゴシャ復帰発表は、異例にもユーチューブのライブ放送で行われた。
当初は「クラブ創設20周年及びACL初出場記念特集ライブ」と題して放送をスタート。ただ、途中から実は仁川国際空港で撮影していたことを明かすと、最後にムゴシャの空港到着現場を映し、復帰をサプライズ発表したのだ。
ファンはライブ放送のチャット欄を通じてムゴシャの復帰を歓迎していた。
ムゴシャは来る16日、ホームの仁川サッカー専用球場で行われる大田(テジョン)ハナシチズンとのKリーグ1第23節で入団式とサイン会を行う予定だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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