サントリーサンバーズのアンバサダーを務めていた荻野正二氏が、韓国Vリーグ男子部のOK金融グループ・ウトメンの新監督に就任した。
OK金融グループは5月29日、2023-2024シーズンよりチームを率いる新監督として荻野氏を選任したことを発表した。
荻野監督はキム・セジン前監督、ソク・ジンウク前監督に次いでチーム史上3人目の監督であり、チーム史上初の外国人監督だ。
また、韓国Vリーグ全体では2010~2011年に女子部の興国生命ピンクスパイダーズで監督を務めた番平守氏以来、史上2人目の日本人監督となる。ちなみに、番平氏は当時、韓国Vリーグ史上初の外国人監督としても注目を集めていた。
昨季Vリーグを7チーム中5位で終えたOK金融グループは、今年で創設10周年を迎えることもあり、初心に帰って再び挑戦するという意味を込めて、外国人監督招へいを多方面から検討した。
数人の候補と数回にわたりインタビューを行ったなか、韓国バレーに対する理解度が高く、基本技術を活かしたバレーに強い荻野監督を適任者と判断し、最終的に選任した。
チーム関係者は「2023年のチーム創設10周年に歩調を合わせ、革新に近い動きを持って行こうとしており、そこで最初から外国人監督の選任を念頭に置いて候補を選定した。ブラジル、フランス、ロシア、イタリア、日本などさまざまな人物を幅広く考慮し、事前に書面インタビューも行うなど多方面で検討した」と伝えた。
また、「韓国バレーに対する理解度が高く、愛情度のある人物を探した結果、荻野監督が的確だと判断した。また、現在のチームに不足している基本技術と守備組織力を満たしてくれる監督だ」とし、選任の過程を明らかにした。
荻野監督は現役時代、1988年から2010年までの長い間、守備型のアウトサイドヒッターとして活躍した“アジアバレー強者”だ。
オリンピック2大会(1992年バルセロナ大会、2008年北京大会)、世界選手権3大会(1990年、1998年、2006年)に出場するなど国際大会の経験も豊富であり、アジアバレーを輝かせたという評価を受けている。
現役引退後はサントリーサンバーズでヘッドコーチや監督を務め、以降はアンバサダーを担っていた。
何より、荻野監督は韓国バレーと縁が深い人物でもある。
韓国男子バレーと日本男子バレーがライバル関係となった当時、日本代表として活躍した経験を基に、韓国のプレー方式や競技力に対して高い理解力を持っている。また、選手時代に対戦した韓国代表選手たちとも交流を続けるなど、韓国バレーとの縁を長く続けている。
OK金融グループは荻野監督招へいを通じて初心に立ち返り、内実を取り戻して再跳躍への準備を進める方針だ。
荻野監督は発表に際し、OK金融グループを通じて以下のようにコメントしている。
「OK金融グループとともに新たな挑戦に乗り出すことができて嬉しいです。OK金融グループが再び優勝カップを持ち上げられるよう、最善を尽くします。韓国バレーについてはよく知っているので、親しみやすい面もあります」
「チーム運営には自由なコミュニケーションが最も重要だと思います。また、チームの柱となる守備を強化し、すべての攻撃チャンネルを活用するシステムを構築します」
荻野監督は今月15日に韓国に入国して契約を終えた後、OK金融グループの選手たちと挨拶を交わした。
その後、17日に日本に帰国した荻野監督は、ビザ発給など必要な手続きを終え、5月末に再び韓国入りした後、本格的にチームを率いる計画だ。
なお、2023-2024シーズンの韓国Vリーグ男子部ではパナソニックパンサーズを退団した伊賀亮平(28)が水原(スウォン)KEPCOビックストーム、大竹壱青(27)がソウルウリィカード・ウリィWONでプレー。女子部では元デンソーエアリービーズの東谷玲衣奈(24)が興国生命でプレーする。新シーズンのVリーグは来る10月から開始する予定だ。
(記事提供=OSEN)
前へ
次へ