MLB大谷翔平からプレミアリーグまで!スポーツ配信の巨人『SPOTV NOW』が目指すもの

ネットで楽しめるのはドラマや映画だけではない。今やスポーツ中継もインターネットの動画配信サービスで視聴でき、通信環境さえ整えば、いつでもどこでもリアルタイムでスポーツ中継を楽しめるようになった。

【写真】大谷翔平を生観戦した韓国の長身美女

そんなスポーツ動画配信サービスのなかでも、近年、日本でその存在感を高めているのは『SPOTV NOW』だろう。

何しろ、イングランド・プレミアリーグとアメリカのMLB(メジャーリーグ・ベースボール)という、サッカーと野球の世界最高峰リーグを配信。さらにイタリア・セリエA、スコットランドリーグなどの試合も配信するなど、年々そのコンテンツ網を拡大させている。

そんな『SPOTV NOW』の運営元の日本法人である株式会社LIVE SPORTS MEDIAの梅澤孝CEOに、『SPOTV NOW』の取り組みとビジョンについて聞いた。

「スポーツの市場をもっと広げていきたい」

―『SPOTV NOW』の存在感が日本でも年を追うごとに高まっている印象です。大谷翔平選手など多くの日本人選手が活躍するMLBは2020年から中継していましたし、昨年4月からはイングランド・プレミアリーグを日本で中継するようになりました。野球とサッカーの世界最高峰リーグを日本で唯一楽しめる動画配信サービスとして、一気に認知度が高まった印象ですが、何か要因はあるのでしょうか?

梅澤:我々としてはスピード感を重視というよりも、しっかり長続きできるサービスを組み立てて提供することを心掛けてきただけですが、スピード感ということでひとつ申し上げることができるとすれば、決断力の速さが我々の強みのひとつかもしれません。

韓国本社との連携を密にとっているため、ある一定の材料が整えば意思決定が速い。また、迅速な対応が常に取れるよう、決裁の承認プロセスが他社に比べると簡略化されていると思いますので、そこはちょっとスピード感があるかもしれませんね。

大谷翔平

―韓国ではスポーツのライブ中継なら『SPOTV』と言われるくらい、欧州サッカーにMLB、NBAに男女テニスツアー、格闘技にモータースポーツまで広く認知されています。そんな『SPOTV』の知名度が日本でグンと高まったのが、昨年4月のプレミアリーグ放映権獲得だと思います。「プレミアリーグ放映権獲得により、会員数が前年比で4~5倍になった」という記事もありました。会員たちの反響はいかがでしょうか。

梅澤:ライブ感にこそスポーツ中継の醍醐味があるので、いつでもどこでも楽しんでいただけて私たちも嬉しく思っています。プレミアリーグに限らずMLBも含めて、価格帯としてもリーズナブル(月額:税込み1300円)であることも喜んでいただけているようです。

最近の反応で嬉しかったのは、“今までプレミアリーグしか観てなかったけど、『SPOTV』にはMLB配信もある。これからはMLBも楽しんでみよう”という反響がSNSなどで見られたことですね。特定のジャンルに偏らず、スポーツ全般を楽しむ層が増えているようで嬉しく思います。

また、ライブ配信後のキャッチアップサービスの期間が比較的長めに設定されていることも、我々の特長でしょうか。コンテンツにもよりますが、長くて1カ月以上はありますし、ハイライト・ダイジェストといったVODコンテンツのアーカイブも充実しています。数にして約1万3000本配信していますので、お気に入りの選手やチームの名シーンをかなり遡って視聴することも可能ですから。

(写真提供=U-NEXT)梅澤孝CEO

―『SPOTV NOW』のYouTubeチャンネルでは、プレミアチームのトレーニングショットや試合後インタビュー、注目試合のプレイバック「PL RAW」など、単純なハイライトに限らないさまざまなコンテンツも配信しています。こうしたコンテンツを配信する理由は?実際の反響はどうですか?

梅澤:例えばプレミアリーグの場合、プレミアリーグ・プロダクションという組織を持っていて、そのハイクオリティーな映像を活用できる強みが我々にはありますし、それをユーザーたちに見せない理由がない。

練習風景やインタビューなどを我々は“ビハインド・ザ・シーン”と呼ぶのですが、それらはコアファンに向けてはエンゲージメントを高めるうえでものすごく重要なことなので、そういったサポートコンテンツにも手を抜かずしっかり継続して、さまざまなニーズに応えていきたいと思っています。

―プレミアリーグは『ABEMA』ともサブライセンス契約を結び、一部の試合が『ABEMA TV』でも放映されています。放映権を取得したライツホルダーは自前で展開したり、独占したがるものだと思いますが、『SPOTV NOW』はコンテンツを独り占めするどころか、たくさんのプラットフォームに露出しようとしているような印象を受けます。その狙いはなんでしょうか?

梅澤:いろいろありますが、根底にあるのはスポーツの市場をもっと広げていきたいという思いです。スポーツの将来を考えると、コンテンツを独占する結果として間口を狭めてしまうよりも、むしろ間口を広げて大衆と接点できる機会を増やすことのほうがスポーツのためになりますし、スポーツを専業とする我々のビジネスも広がっていくわけですから。

「エンターテインメントを楽しむ生活動線にスポーツを」

―3月からは『U-NEXT』でも『SPOTV NOW』が配信するスポーツ中継を楽しめるようになりました。この試みに期待するのはなんでしょうか?

梅澤:まだ『SPOTV NOW』を知らないライト層と接点を持ちたいということもさることながら、ドラマや映画といった、エンタメコンテンツ数では国内最大数を誇る『U-NEXT』と組むということで、いろんな相乗効果が生まれると思うんですよ。

もう少し具体的に言いますと、エンターテインメントを楽しむ生活動線のなかにスポーツがあってもいいんじゃないか、と。

例えば、私が子どもの頃、プロ野球の巨人戦は家族で見て楽しみました。ただ、気がつくとそういう環境がいつの間にかなくなってしまって、スポーツ中継を楽しむのは一部のファンだけになってしまった気がするんですね。そんなスポーツ中継をふたたび、家族で楽しめるエンターテインメントにするチャンスしたいと思っています。

―そのために何か準備したり、今後新しい放映権を獲得したいということも考えているのでしょうか。

梅澤:ライツの取得に関しては権利者との契約事でもあるので、あまり詳しくお伝えすることはできないのですが、スポーツの見方、楽しみ方もさまざまだと思うんです。

毎試合、絶対試合を見てくださるコアなファン、ワールドカップなどビッグイベントのときに関心を持つライト層、あるいはハイライトなどの情報チェックで満足される方など、マーケティング的にはいろいろとセグメントしているんですけれども、そういったすべての方々にスポーツを楽しんでいただけるように、コンテンツを充実させパワーアップさせていこうという方針はあります。

(写真提供=U-NEXT)

―梅澤CEOは『スポナビライブ』、『DAZN』などスポーツ動画配信事業に長く携わってこられた第一人者でもあります。ここ2~3年でスポーツをネット配信で楽しむことが活発になり、もはや定着した感もありますが、現状をどうご覧になっていますか?

梅澤:スポーツの醍醐味はやはり、ライブだと思うんです。感動や興奮の瞬間をリアルタイムで味わえると格別ですし、そこに最大の魅力があるわけで、ネット環境さえ整えばどこでもいつでも見られるので、スポーツ中継ほどインターネット時代に適したコンテンツはないと思っていましたが、こんなにもスポーツ動画配信サービスが増えるとは思わなかったというのが正直なところです。

ただ、ユーザーにとってはどこの配信会社なのか、どこのテレビ局なのかといったことはあまり重要ではないはずです。“観たい試合を楽しめる媒体であること”がもっとも大切なんですよ。そういったスポーツファンたちのニーズにしっかりと応え、たくさんの方々がスポーツと接点を作れるようなサービスを提供していくことが、これからますます重要になってくるなと思っています。

―『SPOTV NOW』のコンテンツがますます充実しそうな予感ですが、『SPOTV NOW』という媒体を通じて、日本のスポーツが世界に配信されることも将来はあるのでしょう?

梅澤:もちろんです。『SPOTV』は日本や韓国だけではなく、香港、さらには東南アジア13カ国に開局されているので、『SPOTV』を媒介して日本のスポーツが世界に配信展開される日もいつか来るでしょう。

―そんな日が早ければいいですね。本日はありがとうございました。

(文=慎 武宏)

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