大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)のような“二刀流”を夢見る韓国の高卒ルーキーが2軍落ちした。それでも、“二刀流”継続の意志は曲げなかった。
キウム・ヒーローズのキム・ゴンヒ(18)は4月6日、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで行われたLGツインズ戦前に1軍エントリーから抹消された。
キウムは同日、キム・ゴンヒとキム・ジェヒョン(29)を抹消し、チャン・ジェヨン(20)とパク・ジュホン(21)をコールアップした。
キム・ゴンヒは高校時代、捕手を主戦場としつつ投手もこなす“二刀流”として活躍し、2023年KBO新人ドラフトで1巡目(全体6番目)にキウムの指名を受けた。
プロ入り後は捕手から一塁手にポジションを変え、同時に投手としても練習を行うなど、兼ねてから“二刀流”の準備を進めてきた。他のチームメイトより2倍近い練習量をこなしていた。
しかし、オープン戦では打者として9試合で打率0.125(16打数2安打)、3打点、OPS(出塁率+長打率)0.250。投手として1試合(0.1回)で登板し、防御率108.00という記録に終わった。
オープン戦で良い成績を収めることはできなかったが、キム・ゴンヒは開幕戦エントリーに名を連ね、打者として1軍デビュー。2試合で2打数無安打、1四球を記録した。
ただ、投手としてマウンドに上がることはなく、結局6日に抹消となった。
ホン・ウォンギ監督は試合前のインタビューで、「キム・ゴンヒに昨日、2軍に行く前に聞いてみたが、まだ投手への意欲を示していた。だから、“思う存分やってみろ”と伝えた。フューチャーズリーグ(2軍)のコーチングスタッフにも、二刀流のトレーニングスケジュールを伝える計画だ」と話した。
また、「当然、本人が投手として出場したいからと言って、出場できるわけではない」としつつも、「それでも、投手の感覚を維持するためには投手としての登板も並行した方が良いだろう」と説明した。
「キム・ゴンヒの練習姿を見れば皆が認めるはずだ」というホン監督。「身体条件も良く、球を投げる感覚も良い選手だ。本人もそれをわかっているからこそ、欲が出るのだと思う。オープン戦を通じて、想像以上にプロの壁が高いと感じたはずだ。昨日話したときもそのような話をしたし、本当に良い経験をしたと語っていた」と、キム・ゴンヒの才能を強調した。
ただ、指揮官の本音としては、キム・ゴンヒに“二刀流”ではく打者に専念してくれることを望んでいるようだ。
「キム・ゴンヒが早くKBOに定着するためには打撃に集中し、巨砲打者の多い一塁手としてプレーした方が良いと思う」と見解を示したホン監督は、「個人的には打者に重点を置いてほしい」と、キム・ゴンヒに打撃面での活躍を期待した。
開幕早々に2軍降格となってしまったキム・ゴンヒだが、まだプロとしての第一歩を踏み出したばかり。今後、大谷のように“二刀流”でその名をとどろかす存在となれるのか、この先の成長を楽しみにしたいところだ。
(記事提供=OSEN)
前へ
次へ