パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表は10月、2022年カタールW杯アジア2次予選の2試合を戦う。
10月10日に華城(ファソン)でスリランカ代表を迎え、15日には平壌(ピョンヤン)で北朝鮮との“南北戦”に臨む。
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スリランカ戦の負担は、相対的に少ないと考えて良いだろう。ホームで行われることに加えて、スリランカはFIFAランキング202位とアジアで2番目にランクの低い国だ。先月の予選2試合でも、トルクメニスタンと北朝鮮のいずれにも敗れている。
また、直近に行われたマレーシアとの親善試合でも0-6と大敗しており、韓国代表にとって負担のかかる相手ではない。
しかし北朝鮮との南北戦はそうは行かない。
まず、平壌への遠征という絶対的な条件が控えている。北朝鮮はアジアカップで惨敗して以降、世代交代に取り組み、現在のワールドカップ予選でもレバノンとスリランカに勝利し、グループHの首位に立っている。FIFAランクは113位と韓国(37位)よりも格下ではあるが、簡単な試合にはならないはずだ。
ベント監督の手腕が求められる1つの山場だ。まだ予選序盤であることから、長期的にチームの競争力を高めていくという選択もできる。いわゆるローテーションを組めば、より多様なスカッドを今後活用できる。
スリランカ戦は、その実験をする良い機会となるだろう。ソン・フンミン(トッテナム)をはじめファン・ヒチャン(ザルツブルク)、ファン・ウィジョ(ボルドー)、イ・ガンイン(バレンシア)ら欧州組が所属クラブで活躍しているだけに、代表チームでも攻撃陣の新しい組み合わせをテストできる。
逆に、北朝鮮との南北戦では経験豊富な主力を中心にメンバーを組めば、慣れない環境への対応も可能だろう。
しかしベント監督の保守的な思考を鑑みると、2試合とも既存のベストメンバーで臨む可能性が高い。過去、ウリ・シュティーリケ前監督も2次予選において、ラオス(ホーム)とレバノン(アウェー)の2連戦でローテーションを組まずに戦った事例もある。
相手の戦力と関係なく、ワールドカップ予選では何よりも結果が重要視される。普段と変わらないメンバー構成で挑むことが、安定的な選択ともいえるだろう。ベント監督がどんな選択をするのか、注視したい。
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